今日はまずびれっじさんに置いてある作品を、空の湯の展示に使うんで伺う為の連絡から始まり、昼過ぎに出発する事になり、それまではデイ・サービスの来月分の牛の絵馬の下絵を描いていたのね。ただ昨日1つ描いたんだけれど、悪くは無いけど、若干おふざけチックが強く見えて・・・
単発のコープみらいなら攻めたサンプルでも良かったけれど、定期的にやって来たデイ・サービスとなると、今までの雰囲気も残した方が良いのかな?・・・と昨日のは次が出なかった時の保険と考えて、もうひとひねりとなったのね。
何個か過去の絵馬と比較しつつ、一応描けたんで、行き付けのホームセンターのコーナンへ・・・。それと、4月にも依頼が来ていて、そのサンプルの材料もついでに買って・・・。
そんなこんなでびれっじさんへ・・・。コロナになって会っていなかったので、何だかんだ1年近く遠のいているんでは無いか?って感じ・・・そんな中、近況報告みたいな話になると、当然コロナに関しての話になる・・・。
正直、もう金魚を飼っていないので、金魚関係のイベントでも無いと会う機会が無く、そう言う点ではアクアリウムバスの参加が無くなっているのは大きく影響しているのね。それと何しろ振り返りのような話で言うなら、出会いの不思議さ。
それは10年前、知り合ったカルチャーの担当者さんが移転して依頼があったものの、それが流れてしまって展示してあったサンプルなどの作品を引き下げに行った帰りに、かぐやと話した時に、講座が流れたんだから経費削減かぁ?なんてふざけていて・・・
そんな中、どうしてもすぐ帰らないとならない理由も無く、何と無く高速で無く、のんびり帰ろうと一般道を走っていると、巨大ならんちゅうの看板発見・・・イメージ的には一般住宅の端から端まで・・・5mくらいあったかな?
何しろ大きくてビックリしたのね。そこで店前に駐車場もあったんで、店内を覗いて見ると・・・何か不思議なのね。確かに水槽が沢山あって金魚屋さんなんだけれど、マッサージもあったり、文房具も売っていたりするのね・・・。
ただ誰もいらっしゃらないので、大きな声ですいません・・・って言うと中から女の人が出て来て・・・余りに不思議な店なんで、説明して貰っていると、仕入れに行っているんですが、連絡取って見ましょうか?と言って頂くと、すぐ戻るって話で・・・
そんなこんなで、びれっじさんに会う事が出来たのね。その頃、金魚も飼っていたし、営業がてらに色んな金魚屋さんや養魚場に顔を出していたのね・・・そんな話をしていたら、どんな事されているんですか?と聞かれ、丁度作品を持っていたんで、お見せ出来て・・・
それで興味を持って頂いて・・・金魚の作品は無いんですか?って事になり、生徒さんと俺で一緒に作る金魚の作品を何個も作って、それを展示して貰ったのが縁の始まり。あの時、高速で帰ったり、金魚の営業をしていなかったり、びれっじさんが帰って来なければ・・・
そう簡単には出会わなかったのね。今なら多分で会っていないだろうね・・・でもこうして10年にもなった。しかもこうしてこっちの都合で作品を引き下げても、寂しくなるなぁ・・・とだけ。そうね、随分長く毎日一緒にいたからね・・・。
そんなこんなでまたコーナンに戻って、今度は下地彫り。何とか閉店前に終わって、アトリエに戻って少しだけあわび・・

昔なら、こんな川のような線、考えもしなかった・・・それどころか、多分1cmのままで張っていただろう・・・。なのに今は60cm近くある大きさなのに、もっと細かい線になっているし、直線でも無い。まぁ理由は簡単な事なんだけれど・・
昔は実物を見せて貰って条件も良かったはずなのね。なのに今の方が繊細・・・何故?それはタブレット。あの頃、本物はどんな本よりも画像が大きかった・・・当たり前だけれどね。図鑑では1枚の小さな写真から作らないとならないのに、
本物は手に取ったり、近くでも見られたりした・・・だから本物以上に大きなものは無かった。でも今はタブレットがあって、しかも更にアップも出来る。つまりもっと繊細にアップにして見られる事になった。シミ1つも逃さずに。
でもね、果たしてそれがあの時あったとしても、こうして作る腕があったか?となると、恐らく無理だろうね。それは意地張ってきちんと揃えただろうから・・・腕を見せるって気持ちや、ちゃんととか、モチーフファーストじゃ無くて、俺のプライドファーストだったろうから・・・
ただそれも判る。誰にも教わった事は無いし独学・・・何が良くて何が悪いか?判らない。しかも参考にしていた海外のモザイクの本では飽きていた・・・もっと上を・・・と。しかし依頼のモチーフはこうしてあわびのように余り見た事の無いものだったりして・・・
良く頑張っていたと思う・・・ただ、それを経て何が?何処が?それで?と自問自答すると、それなりの答えにたどり着く。確かに絵ならそのもののモチーフの大きさで十分リアルに描く事も出来るだろう・・・けれどモザイクはタイルを切る。
固さも厚みもある直線になりがちの素材。この組み合わせで絵を作るのだから、それ相応の大きさが必要になる。仮にもしあの時のあわびを今のサイズにしたら、こうなったか?となると、腕も考え方も未熟な分、そうはならなかっただろう。
しかも、仮に出来たとしてもそれを持った潜水夫も作ったのだから、単純にあの時のあわびが30cmだとしたら、倍になるのだから、潜水夫は3m近い大きさになってしまう訳で・・・物理的に難しい話になる。
そもそもあの時だって、作っていて本物みたいなサイズになっちゃったなぁ・・・って明らかに大きく作っちゃったって感じだったのにね。でも今度のは記念写真用に使うあわび看板。30cm程度では、あわびに迫力は無いわ、文字も判りずらくなるし・・・。
最低ラインが60cmくらいだっただけで、本当は2mくらいのあわびで顔を出す位が望ましかったのね・・・大迫力って感じでね。まぁいずれにせよ、これも落語のかっぱだぬき・・・モチーフとして中々興味を持って貰えないだろうし、勿論一般的でも無い。
しかも似ているか?似ていないか?だって、Ducati以下で、バイクを知らなかったり、興味が無くても、似ている感じ位は判って貰えても、あわびじゃね・・・ウミウシよりも判って貰えないだろうね。でもそれが俺らしい作品なのね。
この世に無いだろうから・・・みんなが作りたいとか、欲しいとかって思うモノはきっと誰が作っているし、見た事のあるものになる。でも、Ducatiもウミウシもあわびも、モザイクで見た事無いはずなのね・・・だからこの世で初めてかもね。
勿論、金魚も・・・そして比べられるものが絵・・・中々ハードルが高いけれど、見付けられれば、必要としている人は必ずいる・・・後はその人とどう出会うか?確かなモノを作るのは作り手の日々の努力で済む。しかし、そこに行く為には、
そこに連れて行ってくれるきっかけになる人物との出会い・・・つまり技術は必然、出会いは偶然。どうやって出会うか?はびれっじさんじゃ無いけれど、かなりの偶然を見逃さない事だったりする・・・。さて今度はどんな出会いがあるのかな?そう思いつつの準備になる・・・