カシメルマンはBARにおるんちゃうか

≪スケールモデルからアニメキャラクターまで、
幅広い分野の模型製作を詳しく解説!≫
(小さい写真はクリックで拡大)

「原発の未来」

2019年03月11日 | つぶやき
あれからちょうど8年。“東日本大震災”、特に津波被害は誰の目にも衝撃だった。
昔から稀に大きな津波が起きる、とは知っていたものの実際あの光景を見るまでは
だれもあそこまで大量の水が襲ってくるとは思っていなかったんじゃないだろうか。
いち早く高台に逃げた人は凄く偉いわー、多分自分があの場に居たら巻き込まれてた。
「津波?…どうせ床上浸水で家具や畳がオシャカになるくらいじゃないの?」
とか思ってたから。“街が消える”とか誰も思わない、というか思いたくないよな。

人命や街の被害も悲しいけど、これから長期の未来に向って
一気に展望が薄れてきたのが“原子力発電”である。
「絶対安全」を謳っていた原子力発電所が事故ったとたん安全神話が崩壊。
この一件で自分も「こんなもの人間には扱えない」と思った一人だった。
「K-19(2002)」という映画を観ただろうか。
ロシアの初期型原子力潜水艦で原子炉にトラブルが発生し対応で何人もの
犠牲者を出してしまった実話で、「原子炉とはなんと厄介なシロモンぞや」と
考えさせられる話だった。しかしガソリン、エンジン等に比べて半永久的に
熱を出し続ける原子力エネルギーがどれほど便利か、というのも理解できる。
…トラブルさえ無ければ。しかし所詮人間の作ったもの、完璧はありえないのな。

だから事後談にはなってしまうけど原子力発電所(以下原発)も
「絶対安全」とは云えない事がわかってしまったわけだ。
それと最も驚いたのが一旦放射線を放つようになった原子燃料が放射線を
放たなくなるまで何十万年、とか言ってる話(**)。
じゃあ使用済みの原子燃料なんて人類が破滅するかしないかとかの未来まで
半永久的に“難儀なゴミ”として存在し続けるってことだよなあ。
「そんなモノが出続ける事業をなんで始めたのか」とも思ってしまう。
原子爆弾とか、いいイメージがない原子力の唯一の平和的利用だった
原発までもその正体を知ってしまった今、原子力を発見した人の功績まで
否定せざるをえなくなる。何時ぞやの映画のように“核ミサイルで巨大隕石を回避”
くらいの手柄をたてるとかしないとイメージが好転しない。

…でも一方で今日の街の賑やかさや夜の綺麗なイルミネーションを見てると
原発ナシじゃココまでのことは無理かなーとも思ってしまう。
折角発明したんじゃないか、例えば自動車に撥ねられて死ぬ人が多いから
もう自動車という文化はやめよう、とかならないのと同じく、
「ここでへこたれて原発をやめると人類的にはなさけない」のかも知れない。
あの震災直後の頃に自分的にそんな事をいろいろ考えたんだ。
で、もし「原発を存続させる場合はどうすればいいのか」とか。
テレビでは津波の浸水で停電して非常用冷却装置が動かなかったんだよう、とか
格納容器のタイプが水素漏れを起し易いタイプだった、とか色々言ってるけど
考えるに「そんなレベルのハナシで決着することではない」と思う。
つまり、今回は地震や津波でこんな事になってしまったけど、
他のトラブル要因もそれこそ山ほどあるんじゃないかと。
例えば事故や、9.11のようなテロで航空機が原発に突っ込むとか、
隕石が命中するとか。考えただけで「こりゃアウトだわ」ってなる
シチュエーションのなんと多いことか。こんなに大きな地震が多い
日本列島の上にあるだけでもう落ち着かないのだ。皆んながそれに気が付いた筈。
金銭的な問題で原発再稼動を推進してる場合ではないと。
確かに隕石とか滅多にありえないけど、原発事故後の被害の
あまりの甚大さを思うと万に一つの可能性も避ける程の対応が望まれる。
それには今世界に点在する原発の造りでは全く及ばずで、
おそらく皆が納得できるレベルにまで持ち上げるには次の条件が考えられる。

・設置場所を人里から距離を置いた離島か埋立地にする。
 (出来れば街や村から30Km以上離す)
・格納容器を厚さ30m以上の鉄骨とコンクリートを組み合わせた壁で覆う。
 (外部からの衝撃、又は水素爆発、原子炉自体の爆発でもビクともしないもの)
・万が一メルトダウンを起した時のため、圧力容器の底を分厚い耐熱壁で覆う。
 (燃料デブリが確実にそこに留まるようにする)
・独立した発電機を2箇所以上設置する。(水に浸かったりしない場所)

皆さんの頭にもこの原発の姿が浮かんだだろうか。
画的には海の上に浮かぶコンクリートの山、というかピラミッドみたいな施設になる。
当然、外からは炉心がどの位置かとか何基あるのかとかは見ても判らない。
無理っぽいけど出来ればメルトダウンした場合に壊れた部分を比較的スムーズに
入れ替えられるカートリッジ的なセパレート構造になっていればなおさらいい。
(事故処理に30年もかかっていられない)
これはもう「メルトダウンは起こるもの」として考えた構造だ。
厚さ30m以上のコンクリート壁は残念にも最悪の事態になった際、
チェルノブイリのようにあとから慌ててコンクリートで覆うよりも
最悪その場をそのまま破棄できるようにしたのだ。負の遺産みたいなのが
残って悲しいけど少なくとも放射線を浴びながらの辛い工事は避けられる。
「…そんなの、建設費がいくらになんねん」とか思うでしょうけど。
今ある原発の何十倍?…いや何百倍?
だいぶ昔に「原子力発電って火力や水力より安くできるらしい」と聞いたことがある。
多分それ間違ってたのでは…。これでも完璧とは言えないけど、こんなあらゆる事態に
対応した原発構造で再び計算しなおしたコストが本当の原子力発電の費用じゃないのだろうかと…。

(卓上のモデルは「ロシア ノヴェンバー型原子力潜水艦」)
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 「空間重爆撃機ガルント 《Ⅲ》」 | トップ | 「ケッテンクラート 《eins ... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

つぶやき」カテゴリの最新記事