幹事クリタのコーカイブログ

テニスをはじめあれこれ好き勝手書いています。「幹事クリタのコーカイ日誌」のブログ版です。

おかしいことはおかしいと言う

2023-11-15 23:53:04 | 日記
 宝塚歌劇団のあり方が問題になっています。まだまだ解明すべき点はあると思いますが、絶対的なタテ社会であることがブラックな組織になったことの一因であることは恐らく間違いないでしょう。高校の部活や大学の体育会などでもこうした事件はたびたび起こっています。芸能界やスポーツ界に限らず日本社会のあちらこちらの組織に、こうした絶対的タテ社会が存在していて、なおかつそれを好む人たちがたくさんいます。

 宝塚がそういう厳しいタテ社会であることは昔から有名でしたし、宝塚出身の芸能人がそうしたエピソードをバラエティなどで多く語ってきました。みんな知っていたのにそれを批判もせず、むしろ「そうした厳しさは必要」などと持ち上げてきたから陰湿ないじめによる犠牲者が出たのに、誰もそれを反省などしていません。ジャニー喜多川の性加害を知っていたのに知らん顔をしてきたのと同じ構図です。タテ社会の一番いけないことは自由闊達な議論を妨げるので、おかしいことをおかしいと指摘せず目をつぶり、正しいことを言えなくなることです。

 僕は昔から先輩というだけで王様のように威張るこうした風習が大嫌いで、小学生の頃から社会人になっても一貫して反発してきました。もちろんさすがに手は出していませんが、大いに反論してきましたし、何なら面と向かって本人を批判もしてきました。「おかしいと思います」「間違っています」「そんなことはできません」くらいは当たり前で、ひどい時は「小学生のようなことを言っている」とか「あまりにもバカバカしい意見で聴くに堪えない」などと言ってかなり上司を怒らせていました。いま考えるとさすがに言い過ぎでした。

 もちろん日本の会社でそういう態度を取れば上からの評価は低くなります。そんな僕を「面白い」と気に入ってくれる人も時々いましたが少数派で、多くの人の評価は「実力はあるが態度が悪い」でした。時には「態度が悪い」ではなく「やる気がない」と変換されていることもあって、やる気がないわけではないから敢えて反論しているのになと思っていました。心配して「長いモノには巻かれろ」「大人になりなさい」と言う人もいましたが、さすがに正しいことを言ってクビにはならないので、平気で言い続けていました。

 当時僕が反論したことの多くは、世の中が変わるにつれて正論になりました。僕が言っていたのは単純なことで、例えばオフィスでは禁煙にしろとか、女子社員に飲み会のホステス役をさせるなとか、熱があるのに会社に来るなとか、明け方まで徹夜で仕事をするのは健康に悪いなど、30年前は普通に行われていたおかしなことで、今となっては当たり前のことを言っていたのに過ぎません。会社の業務に関わることやプライバシーに関わることでも多々ありましたが、わかりにくいし守秘義務もあるので書きませんが、慣習だからというだけで思考停止してやっていることに僕が突っ込むと「生意気だ」「文句が多い」などと言われたものです。

 最近は滅多にそういうこともなくなりました。先日も書きましたが僕より先輩がほとんどいなくなってしまったから「生意気」とはさすがに言われません。会社がタテ社会だと年を取ると楽になってしまいます。それに若い頃よりは耐性ができて少々おかしなことは飲み込めるようにもなりました。年を取って丸くなったのでしょう。寛容になったと良い変化としてとらえるべきか、尖っていたところがなくなってダメになったと考えるべきかは難しいところですが。若い人にはぜひフラットな目線で「おかしい」と思ったことは「おかしい」と言って欲しいと思います。軋轢が生じることもありますが、相手が独裁者じゃない限りは正論を言ってもそれほど酷いことにはならないから大丈夫です。
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