今年の全仏オープンが最後になると予想されているラファエル・ナダルが会場のローランギャロスのセンターコートであるコート・フィリップ・シャトリエで軽い練習をした時に、約6000人の観客が詰めかけたそうです。ナダルは過去に14回も全仏を制していますが、今年で最後かもと言われているのに、未だに出場するかどうかも不明という状況です。体調が整っていないということなのですが、それだけに練習であってもナダルの姿を見たいと思うファンの気持ちもわかります。
2005年に僕がメルボルンまで全豪を見に行った時も、練習だけで客を集めていたレジェンドが2人いました。ひとりは当時34歳のアンドレ・アガシで、アガシは2006年を最後に引退するのですが、全豪はこの2005年が最後の出場となりました。僕はアガシ最後の試合を見るつもりで会場にいたのに、センターコートを離れてグランドコートでダブルスを見ている間になんとセンターコートのアガシの試合が終わってしまっていて残念でした。一応アガシがまだ若い頃に名古屋で松岡修造とエキジビションマッチをした時には見ているので、それがまだしもの救いです。
もうひとりはマルティナ・ナブラチロワで、当時なんと48歳。 シングルスは1994年にすでに引退していましたが、ダブルスはまだ現役で続けていました。さすがに最晩年ということで、この2005年がアガシ同様に最後の全豪出場でした。僕が見に行った日がダブルス1回戦で、ナブラチロワは日本人ペアをあっさり片付けてから物足りなかったのか練習をしていました。僕を含めて多くのファンがコートを取り囲んでいました。
もう現役としてプレーする姿を見ることはないかもと思うと、練習であっても見たいというのがファンの気持ち。いま僕が心配しているのは錦織圭です。グランドスラムに出たのは2021年の全米が最後。その後はリハビリをしながら復帰を何回も試みていますが、なかなか本格的な復帰には至らないまま34歳になってしまいました。もうさすがにタイムリミットが近い年齢です。このまま引退してしまったら現役でプレーする錦織を見ることができないままになりそうです。ジャパンオープンに来た時に行っておけば良かったと今さらながら悔やんでいます。