人柄よりも政策を知りたい

　ポスト岸田を巡ってかなり多くの「次」を狙う政治家の名前が挙がっています。知名度がそれなりに高いのは石破、小泉、河野、高市くらいで、茂木なんて派閥の領袖なのに知名度はかなり低いし、加藤、小林、林、上川あたりになるとフルネームを言える人は少ないのではないかと思います。それもあってか、マスコミは彼らの家柄や人柄、趣味、エピソードなどを報じています。今に始まったことではないですが、なぜマスコミは政治家を紹介するならまず政策について報じないのでしょう？

　学生時代に何をしていたかとか、配偶者がどういう人かとか、休日は何をしているかとか、本来どうでも良い話です。それより知りたいのは改憲派かどうか、改憲するなら９条なのか、緊急事態条項なのか、財政再建と景気対策のどちらを優先するのか、対米対中についてどういうスタンスなのか、原発についてどう考えているのか、女性天皇や女系天皇についての見解はどうなのか、選択的夫婦別姓はどうしたいのか、そうしたことを知ることができれば、政治家としての理念や方向性が見えてくるというものです。

　もちろん自民党の政治家である以上は共産党のようなことは主張しないでしょうが、それでも例えば選択的夫婦別姓については自民党でも意見が分かれています。かねてから河野太郎と高市早苗ではかなり方向性に差があります。それでもちゃんと自分から情報を得ようとしないとわかりません。小泉進次郎なんてポエムしか話さないので、そもそも政治家としての理想とか理念があるのかさえハッキリしていません。

　少なくともアメリカの大統領選はしっかり政策論争を選挙戦で重ねていて、政治的立場はわかりやすいから有権者も支持をクリアにしやすくなっています。日本でも見た目とか「名前を知ってる人」というだけで国会議員や首長を選んでしまうようなことは、そろそろ本気で何とかしないと、ますます政治の貧困は進むばかりです。