今週の初めごろから役場のホームページで「いこまい館見直し検討委員会」の第6回目、7回目の議事録が公開されています。
私は、3月26日の記事で「いずれ公開されるであろう議事録に注目したい。」と書いた責任上、議事録を読んだ感想を書いておくべきだと思い、気付いた事を簡単に書き記したいと思います。
第6回目の会議は、全戸配布のアンケートが回収され、その集計が終わった後の最初の会議です。
その会議の議事の冒頭、委員が次のように述べています。少々長いですが、引用します。
アンケートの結果だけを見るのではなく、見直し調査結果の「3つの見直し案のうちどの案を1位にしますか」という問いに、非該当が、1,567件あります。1位の案が1,164件なので、非該当が非常に多いという点に一番注目しなければいけないのではないかと思います。どれかを賛成として選んでくださいと聞いたにもかかわらず、反対意見の具体案も多数出ていますので、反対の内容も検討せざるを得ない感じがします。反対の中の意見をよく検討することから、はじめたほうがいいのではないかと思います。
これはアンケート結果の読み取り方としてどうかと思います。
と言うのは、この設問(この委員の言うところの「3つの見直し案のうちどの案を1位にしますか」…問8の「あなたは3つの見直し案のうちどの案がいいですか。優先順位を付けてください。」のこと)に回答できるのは、問7の「あなたは見直し案の基本的な考え方である、「健康づくりの拠点となる施設を目指す」という考え方についてどう思いますか。(どちらかに○)」で「1 賛成」を選んだ人だけです。
この委員の言う「非該当」とは、問7で「2 反対」を選んだ人および無回答だった人です。この委員は「非該当が、1,567件あります。1位の案が1,164件なので、非該当が非常に多いという点に一番注目しなければいけないのではないかと思います。」と述べ、問7で賛成だった人の中で1案を1位に選ばなかった人+問7で反対を選んだ人+問7に無回答だった人の合計を問7で賛成だった人の中で1案を1位に選んだ人との比較で持ち出しています。こんな無茶なデータ解釈があるのでしょうか?
この委員の発言がきっかけになって、問7で賛成と答えた人の中で第1案を1位に選んだ人が一番多かったという結果を正面から受け止めない議論が延々と続いています。
結果を素直に受け止めるならば、一番多かった意見を実現させるためにどうすればいいか、そのためには少数意見をどう汲み取るのか、といった方向での議論になったはずですが…。
私は4月4日の記事で「自分たちの意に沿わない数字が出たので、それを無視するために必死で書いた意見書だということは、どんな言い訳をしても隠せない事実ではないでしょうか。」と、今読み返すと少々挑発的な文を書きましたが、今回公開された6回目と7回目の議事録を読めば、やはり隠せない事実だったという感想を改めて持ちました。
この記事にコメントを寄せてくれた山下議員は、先の私の文を「事実を歪曲したものです」と決め付けていますが、歪曲ではありません。いこまい館への診療所移転には山下氏ご自身も疑問を呈しておられたようです。http://togo-gikai.cocolog-nifty.com/blog/2008/02/post_6c06.html。検討委員会のメンバーの中で、「どうしても診療所の移転を阻止したい」と考える方がいても、それはひとつの見識だと思います。政策的な考え方の違いは、お互いに議論すれば良い事です。人の文章を「歪曲」と決め付ける前に、「健康の拠点に見直すのに賛成の人の中では診療所移転案を支持する人が多いという数字がありますが、診療所移転を阻止するための論陣を張りました」と、町民に明らかにすれば良いのです。ただし、私は検討委員のそのような態度は認めませんが。(なぜかって、そんな選択肢をアンケートに入れなければ良かったのにそうしなかったから)
前の繰り返しになるかもしれませんが、私が問題にしたのは、自分たちが決めたアンケートの結果を正面から受け止めない検討委員会の議論のあり方です。どう考えても、アンケートに答えた町民の思いに背を向ける態度ではありませんか。自分が決めたアンケートのあり方について、後からいろいろ言わない方が良いと思います。
いこまい館の改築に反対する意見としては、水川議員の意見は興味深い。彼のアンケート結果の解釈も検討委員会と同様、無理があるように思いますが、アンケート作成に関わっていない水川議員がアンケートのあり方に異議を唱えるのは、その立場なりに筋が通っていると言えるでしょう。
それと、第7回の会議で町長が出席していますが、「結論を出して欲しい」と求める発言・態度は見当たりません。いこまい館見直しの方向性を出すために、自分が設置した委員会が結論を出そうとしないのに、町長の態度も無責任です。
なぜ検討委員会がこうなってしまったのか、アンケートに示された結果にどう対応するのか、町長は問われることになるでしょう。
蛇足ですが
少々古いですが、山下議員がこんなこと書いてる。
その席上で、ある政党の議員が、「アンケートの結果がでているのに、検討委員会で結論を出すことができないなんて、役目を果たしていないのではないか」と激しく批判しておいででした。
アンケートで集約された意見を真摯に受け止めれば、「診療所移転を直ちに行うべき」という結論に至ることができないことは、冷静に考えれば理解できるはずです。
「いまこい館に診療所を」というのは、政党としての悲願だということですから、冷静さを欠いた過激な批判行動に走る心情も理解はしますが、検討委員会の委員に対するいわれのない暴言はいきすぎではなかったかと残念です。
町民に対する公約を「悲願」と言い換えられてしまい、なんだかな、という感じです。前から、「いこまい館がこうなるといい」と議会で発言したり、選挙公報に書いたりしてきました。そして町長も含めいろんな方々とお話させていただきました。共感しあったり、意見の違いが出てきたり、いろいろでした。政党が町民に投げかけ、町民の気持ちも取り入れた公約を「悲願」と呼ぶのはいかがなものでしょう。
私の言動を「暴言」と呼ぶのは、私がひとりで「さよか」と思っておけば済むことです。しかし、町民の思いも込められた「いこまい館のあり方」を「悲願」と呼ぶのは、町民に対してもいささか乱暴すぎると思い、この機会に書くことにしました。
それとね、別に診療所移転案が1位だったから必死になったわけじゃないの。その辺、分かっていただけると思います。