東郷町議会議員 かどはら武志(日本共産党)

連絡先090-1835-5649
kadohara@joy.ocn.ne.jp
白鳥4丁目押草団地

2011年度東郷町一般会計決算認定への反対討論

2012年10月03日 | 東郷町議会
9月議会の最終日に私が行った一般会計決算認定への反対討論をご紹介します。

ーーーーーーーーーーーー

 平成23年度東郷町一般会計歳入歳出決算認定について、反対の立場から討論します。

 まず歳入です。
 財政運営で評価できることは、臨時財政対策債をほぼ限度額いっぱい借り入れ、必要な財源の確保に充てたことです。この措置は東郷町が債務償還のピークを迎えるまでは必要な措置と理解します。一方、都市計画税を最高税率で賦課徴収しながら、同時に下水道受益者負担金も賦課徴収していることには反対を表明したいと思います。
 また、歳入の確保では、愛知県豊田尾張東部地方税滞納整理機構が発足し、50件の滞納が機構に引き継がれ、滞納額4690万円余に対し、2820万円余が収納されました。私は税の徴収に特化した任意組織である滞納整理機構からの脱退を強く主張します。税の徴収は、納税者の担税能力への配慮はもちろん、様々な町の施策も関連付けながら滞納者の生活実態を把握しながら実施すべきもので、税の徴収だけが独立してあるべきではないと考えます。また、滞納整理機構に引き継がれた滞納額を徴収する権利を持つのは、あくまでも東郷町長であり、任意団体である滞納整理機構にまかせるべきものではないというのも、私が脱退を主張する理由です。
 滞納者が将来、滞納をしない納税者になる可能性を摘み取ってしまう、給料や売掛金の差し押さえなど、生活破壊につながる無理な徴収が行われないよう強く求めます。

 次に歳出についてです。
 1点目に、町が行う保険事業で、住民の生活を守る姿勢はどうなのかということについて述べます。国民健康保険には、前年度を大幅に上回る医療費等繰入金を出したことは評価できますが、その結果できた大きな黒字を国保税の減税に回さないのは、不況に苦しむ自営業者や失業者、退職者への思いやりが欠けていると言わざるを得ません。
 介護保険でも保険料、利用料とも一般会計からの軽減策がいっさいなく、低所得者に使い勝手の悪い制度のまま置かれています。
 不況と負担増に苦しむ住民を守る姿勢が十分とは言えない保険運営を改めるよう求めます。
 歳出の2点目に福祉、医療、教育について述べたいと思います。
 近隣の自治体の中で目立って遅れていた子ども医療費無料化が、年度途中からとは言え、18歳まで一気に対象を広げたことは、大いに評価すべきです。また学校施設などの改修も計画的に進められています。一方で、学校と保育園の給食では、食材の放射能検査も、産地の公表も頑なに拒み、子どもの健康を第一に考えないという驚くべき姿勢がとられたのは残念です。食の安全を求める保護者の期待に応えるにはどうすればいいのか、いまいちど考えるべきです。また、保育園は3歳児より上の年齢では待機児童はいませんが、3歳未満児では待機児童がいます。この解消に本腰を入れるべきです。病後児保育が始まりましたが、その認知度は低く、これは病後児保育というものをどう捉えるべきなのか判断できないでいる保護者の思いの反映ではないでしょうか。病後児保育ではなく病児保育への転換を検討すべきです。
 放課後子ども教室が東郷小にも開設されました。これは無料の事業ですが、一方で児童館では有料の放課後児童クラブが行われており、負担の格差は放置されたままです。また、子どもが自由に出入りする児童館の一部で有料の事業が行われていることは、さまざまな問題を引き起こす心配があり、料金徴収はやめるべきです。この際、子ども教室や児童クラブなど限定的な事業ではなく、本格的な学童保育をはじめるべきだと提案します。
 またこの年度には町独自の私学助成が行われませんでした。国の私学への支援が広がったからと、独自の私学助成は役割を終えたとし、学費の公私格差がかえって広がるという


状況の中で、独自の私学助成を行わなかったのは、教育行政における明白は失政でした。このことは、議会からの要求もあって、今年度から私学助成が復活したという形で一応の決着を見ましたが、今後も長く記憶にとどめるべき反省点です。
 
 3点目に、まちづくりと産業対策についてです。
 福島第一原発の事故から放射能汚染への関心が高まる中、東郷町がいちはやく学校や保育園、公園など子どもが使う施設での放射線量測定を始めたことを大きく評価したいと思います。この姿勢は、町長が管理者を務める尾三衛生組合での焼却灰などの放射能検査の実施、町長が副企業長を務める愛知中部水道企業団での井戸水の放射能検査の実施につながったと思います。この検査は、今後、この地域における放射線防護対策の立案に役立てれるものと考えます。また、この町長の姿勢が、学校・保育園給食で子どもたちを放射能から守る姿勢が欠落していることの是正につながることを期待します。
 尾三衛生組合への負担金が減少傾向を続けています。焼却炉の大幅な延命が見込まれるためですが、これも今後のまちづくりへの明るい材料のひとつだと思います。
 また年度途中の今年2月から北部地区を通る名鉄バス路線が開通したことも、住民の期待に応えたことで、いつまでも住んでいたい地域づくりを前進させるものでした。今後もこの路線の発展に行政として力を尽くされることを期待します。
 一方で残念なことを指摘したいと思います。
 東郷セントラル開発の計画作りが着々と進められる一方、諸輪東部開発は見るべきものがなかったのは残念です。
 
 4点目に、議員と町長が関わる問題です。
 まず、不必要に豪華な研修旅行は見直すべきです。東郷町が負担金を出しているこの地域の3つの一部事務組合で、いまだに3組合合同研修が実施され、各市町の議員と長が参加しています。この研修は明らかに年中行事化しており、行くこと自体が目的になっています。このことは、3組合まとめて出かけると経費が節約できるからということを、合同研修を実施する理由として挙げられていることからも明らかです。研修は何を研修するかが重要であり、どこへ行くかはそれに付随するものです。それぞれの組合が必要があって実施する研修のはずが、し尿処理の組合の議員が消防の研修に行くというのはおかしな話ですし、行く方向が必ず一致するというのもおかしな話です。必要が見出せなければやめればいいのです。
 もう一つは、町長の諮問機関に議会議員を入れるなということです。町長の諮問機関の議題の多くは、議会で議決すべき事項です。議員が町から報酬をもらって審議会の場で事前審査に加わったのでは、議会審議が骨抜きにされてしまうではありませんか。報酬の二重払いも無駄であります。議会審議を骨抜きにするものとして強く反対します。 

 財政運営では限られた選択肢の中で適切な対応がとられ、新たな施策も展開されたものの、厳しい住民生活を守る姿勢が乏しく無駄も残され町長と議会の二元代表制のあり方についても課題が残ったままであり、本決算の認定には不同意を表明します。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする