東郷町議会議員 かどはら武志(日本共産党)

連絡先090-1835-5649
kadohara@joy.ocn.ne.jp
白鳥4丁目押草団地

民生委員会研修報告

2009年08月08日 | 東郷町議会

  7月23日から24日にかけて、1泊2日の日程で東郷町議会の民生委員会の県外研修がありました。今回のテーマは、子育て支援事業(石川県内灘町)、定年後の生きがいづくりなど(富山県氷見市)でした。

 研修の報告をします。

 まず、「こんにちは」8月2日付の記事を掲載し、その後、議長に提出した報告書を掲載します。
(関連記事「今週の赤旗折込「こんにちは」は民生委員会研修の報告」

「こんにちは」8月2日


子育てを総合的に支援

 内灘町子育て支援センター

 子育て支援センター内灘「カンガルーム内灘」は、内灘町の子育て支援の総合的な拠点で、相談窓口や子どもの遊び場の機能を持っています。
 私たちが訪れた頃には、すでに何組かのお母さんと幼児が遊びに来ていました。第一印象としては、東郷町の児童館か、いこまい館のおもちゃルームのような感じです。しかし児童館とは違って、年齢によらず、子どもだけでの利用はできません。また、指導員が常駐しているという点で、いこまい館おもちゃルームとも異なります。
 内灘町子育て支援センターは、内灘町役場内の保健センターの一部で始められましたが、手狭なため、2年前に新しい施設が新築され、現在に至っています。施設利用は登録制で、利用料金はありません。
 また、利用者の約半数が町外(金沢市など)からの人ですが、「お互い様」とまったく問題にしていませんでした。
 センター長(元は町立保育園長)は、親が一人で悩みを抱え込まないように気軽に立ち寄れる施設ということや、「親育ち」支援などを強調しました。
 特徴的だったのは、保健センターや保育園など、他の機関との連携が密に行われているということで、子育て支援センター職員と保健師などとの連絡会議で意見交換がなされるそうです。私たちが訪れた日は、身体計測もあり、大賑わいでした。保健センターによる従来の健診だけでもいいのですが、体の発達というテーマをいろんな施設で親が意識できるのは良いことですし、子どもの状態を多くの視点で捉え共有するのは重要なことだと思います。
 なお、内灘町には児童館はありません。小学生以上の子どもが自由に出入りできる居場所づくりが今後の課題だそうです。

富山県氷見市の取り組み

 1.定年後の生きがいづくり

 氷見市企画広報室の説明を聞きました。氷見市では、自治会組織の役員になることや、老人クラブ、農作業、生涯学習といったことが、定年後の過ごし方の「受け皿」となってきたそうですが、NPOでのボランティアも増えているそうです。行政の支援方法としては、地域にある廃校舎を利用してもらう、移動のバスを出す、助成制度の周知などです。
 市企画広報室は、定年退職者の市外からの移住促進策として、「氷見市空き家情報バンク」を特に紹介しました。空き家所有者と空き家利用希望者との橋渡しを市が行うというもので、定年退職者に限らずすでに数世帯が移住してきたそうです。移住者が地域に溶け込み生きがいを持って生活するだけでなく、地域も移住者を受け入れることによって活性化している様子が紹介されました。「定年後」ということでは東郷町には参考になりそうにありませんが。
 次に生涯学習課の説明を聞きました。氷見市では地区ごとに公民館(小学校併設と単独)があり、これが核になって生涯学習の機会が提供されています。地域のスポーツクラブや各種の教室が、交流の機会になっているようです。公共交通機関が発達していない氷見市では、身近な公民館活動が、居場所づくりに役立っているようです。定年になっていきなり生きがいをつくることには無理があるので、現役の頃からこういった機会への参加が必要です。地域のスポーツクラブには、会社帰りのサラリーマンが自分の楽しみとして参加し、そうしていくうちに指導者など活動の担い手に育っていくようです。

 

2.大人の健康づくり

 氷見市では、公民館など身近な場所で「氷見市民健康大学」を開き、市民に講座や健康診断等に参加してもらっています。参加者には単位を認定し、50単位で認定証を交付、100単位で「健康博士」の称号を、200単位で「殿堂入り」の称号を授与し、実践の励みになるように工夫しているとのことです。
 氷見市でも、介護認定を受ける前の段階の「特定高齢者」の介護予防の事業をしていますが、これを担当する氷見市地域包括支援センターは、市の直営です。多くの地域包括支援センターが社会福祉協議会など外部の団体に委託されています(東郷町でも社会福祉協議会に委託)。そうした中、なぜ地域包括支援センターが市直営でされているのかについて、「社会福祉協議会に委託を受け入れる体制がなかった」との説明がありました。市直営のメリットとして、市が直接、高齢者の状況を把握できることが挙げられました。
 また、氷見市では健康のための事業推進のために会議が持たれていますが、保健・医療関係者が生活習慣病対策を推進する会議もあります。医療関係者が入ることによって、普段から連携が密になり、率直に話し合える関係も作れるのでは、と思いました。

議長に提出した報告書

<style type="text/css"><!-- @page { size: 21cm 29.7cm; margin: 2cm } P { margin-bottom: 0.21cm } --> </style>

研修を終えて感じた内容について

 氷見市

1)団塊セカンドライフ

 行政の関わり方について、移動手段のバスを出すことや、廃校舎を利用してもらう、助成制度の周知などが挙げられていたが、各種団体への町バスの貸し出し、町民会館などの部屋の貸し出しなど、東郷町ですでに類似の事業を行っているため、目新しい感じはしなかった。東郷町でもそうだが、スポーツクラブや各種サークル、ボランティア活動などを住民に広く知ってもらうことが重要で、この点で行政が役割をいかに発揮するのかが重要である。氷見市においても、行政はそのことを十分認識しつつ、取り組まれているように感じた。

 参加している人たちには、ある特定の職業が多い等の特徴はないようだ。定年後にいきなり生きがいを見つけてもらうのではなく、現役のころから活動に参加してもらうことが大切だと強調されているが、これは地域によらず、当然のことだろう。

 空き家情報バンクは、過疎地だからこそ行政がする意義がある事業だと思う。東郷町では不動産業者への圧迫という問題があり、参考にはならない。

2)大人の健康づくり

 市民健康大学といった健康づくりの事業に、市民に意欲的に参加してもらうための工夫も重要だが、それ以上に、地区の公民館で市民健康大学を開講するなど、住民に参加しやすいものにする努力があり、これが効果を発揮しているものと思われる。

 医療機関との関係について、保健・医療関係者が生活習慣病対策を推進する会議がある。このように保健関係者だけでなく、医療関係者も交えた意見交換は、健康づくりと医療との連携を形成するためにも、東郷町でも今以上に力を入れるべきだと思う。東郷町では、役場内の保健師と東郷診療所の医療スタッフとの連携はいかにあるべきかを、今後の検討課題にすべきだと思う。

 氷見市では地域包括支援センターが、東郷町とは異なり、市役所の直営である。これは研修前にはなかった情報だった。社会福祉協議会に委託を受ける体制がなかったのが、直営にした理由との説明だった。メリットとして市役所が高齢者の状況を直接把握できることが挙げられたのは、注目に値する情報だと思う。

内灘町

 内灘町子育て支援センターの第一印象は、東郷町で言うと児童館といこまい館おもちゃルームに似ている。すでに何組かの幼児連れの親子が遊んでいたからである。しかし機能は児童館ともおもちゃルームとも異なる。児童館が子ども一人でも遊びに行けるのに対し、同センターは必ず保護者同伴で利用しなければならない。また、おもちゃルームには指導員がいないのに対し、同センターには専門のスタッフが常駐している。子育て支援センターなので、相談窓口が入り口正面にあるが、第一印象の通り、親子が遊ぶ場所という印象が強いから、堅苦しい印象がない。気軽に利用してもらって、必要ならばいつでも相談してもらうという雰囲気をつくるために重要なことだと思う。

 センター内のクラブにも保護者が協力し合って参加しているようで、保護者同士の仲間づくりに一役買っていそうだ。

 同センターでは、保健センターと協力して身体計測を行うなど、役場内の他部署との連携を積極的に行っているようである。保健センターだけでなく、子育て支援センターでも子どもの発達について親が意識できたり、いろんな観点から子どもの発達を見守れるのは、重要なことだと思う。また、保健センターや保育所でも同センターの周知ができるという点でも役立っているのではないか。

研修内容についての意見や感想及び提案

 氷見市の団塊セカンドライフについては、社会教育の事業や、移住希望者への空き家紹介など、民生委員会の研修としては、やや疑問が残る感じがした。また、説明の範囲があまりにも広く、研修のテーマを意識しながら説明を聞くのに苦心した。テーマの設定の仕方が抽象的だったからではないか。東郷町にどうフィードバックできるかを意識できるようなものであってこそ、意義ある研修だと思う。今後はそうしたことを、委員会研修のあり方の課題として考えるべきだ。

                                    以上

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする