出版社による紹介。
「だ・である」調と「です・ます」調がランダムに入り交じる不安定きわまりない文体(訳文だけでなく原文〔英語〕がそうらしい)。それでいて、ペン先が軸よりも前(未来)に位置し、そのままそれ以外のすべてを引っ張ってぐんぐん疾走してゆく感じは、石川淳の作品の読中感に類似する。これとは反対に、ペン軸を頭にし、ペン先を後に引きずりつつ、前もって整頓準備されたものを紙の上に圧して書き付けさせているというふうの、鈍重で、それでいていかにも予定調和な感じは、まるでしない。
(岩波書店 2012年10月)
「だ・である」調と「です・ます」調がランダムに入り交じる不安定きわまりない文体(訳文だけでなく原文〔英語〕がそうらしい)。それでいて、ペン先が軸よりも前(未来)に位置し、そのままそれ以外のすべてを引っ張ってぐんぐん疾走してゆく感じは、石川淳の作品の読中感に類似する。これとは反対に、ペン軸を頭にし、ペン先を後に引きずりつつ、前もって整頓準備されたものを紙の上に圧して書き付けさせているというふうの、鈍重で、それでいていかにも予定調和な感じは、まるでしない。
(岩波書店 2012年10月)