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昭和七年。戦後の司馬遼太郎「喧嘩草雲」に先行する当作は、題名のとおり、前者にはまったく出てこない一人息子格太郎が、草雲とほぼ同等の主人公となっている。そして司馬作ではやや陰の薄い妻お菊は、話半ばで死没するまで、草雲のかけがえのない伴侶として(これも司馬作ではまったく触れられるところがないが、豪快な草雲と馬の合う彼女の実家の破天荒な兄弟たちとともに)、重要な副主人公であり続ける。
昭和七年。戦後の司馬遼太郎「喧嘩草雲」に先行する当作は、題名のとおり、前者にはまったく出てこない一人息子格太郎が、草雲とほぼ同等の主人公となっている。そして司馬作ではやや陰の薄い妻お菊は、話半ばで死没するまで、草雲のかけがえのない伴侶として(これも司馬作ではまったく触れられるところがないが、豪快な草雲と馬の合う彼女の実家の破天荒な兄弟たちとともに)、重要な副主人公であり続ける。