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書籍之海 漂流記

看板に掲げているのは「書籍」だけですが、実際は人間の精神の営みすべての海を航海しています。

村元健一 『漢魏晋南北朝時代の都城と陵墓の研究』

2016年11月04日 | 東洋史
 中国のウェブサイトによる内容紹介

 西高穴2号墓に関して、「公表されている資料から見る限り、これを〔曹操の〕高陵以外のものと考えることは困難であると考える」と結論される(「第二篇第一章曹魏西晋の皇帝陵」本書266-267頁)。だが同時に、このくだりに付された注(4)において、例の「魏武王常所用」云々の石碑の“魏武王”および“常所用”について、「筆者も解釈をしがたい」(同288頁)と、断っておられる。
 だがこの解釈を行わずにこの結論は導き出せるのかどうか。実際のところ、氏は自らのそのうえに立った議論を展開するために、前提あるいは公理として同墓=曹操の陵墓を置かれておられるようにも思える。

(汲古書院 2016年8月)