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書籍之海 漂流記

看板に掲げているのは「書籍」だけですが、実際は人間の精神の営みすべての海を航海しています。

特集ワイド:「私」が消えてゆく プライバシーは時代遅れ? - 毎日新聞

2017年08月08日 | 
 2017年8月4日 東京夕刊

 冒頭の岡嶋さんによると、若い世代の場合、誰も批判しない、似たような価値観の者同士だけで交流できる狭い『ネットワーク』で、いくつものキャラクターを演じるのがは普通のため、そこでひどく傷つくことは少ないという。あるいは、ネット上に解き放たれたプライバシーがどれだけ侵害されても、ひたすら慣れていく。そんなふうに、私たちは変わり始めているのだろうか。内面から離れた『自己』を遠目に見ながら。

 文学的である。ジャーナリズムの文章とはとても思えない。論旨の輪郭がぼやけて理解しがたい。右顧左眄のようにすらみえる。語り口も、「という」などとおちょぼ口で、なにか躊躇いがちな印象を受ける。というより、印象しかない。田中美知太郎師がいまに生きていたらどう評するか。いったい、プライバシーは時代遅れなのか、そうでないのか、「私(自己)」はこれからの人間存在にとって不要なのか、そうでないのか。