書籍之海 漂流記

看板に掲げているのは「書籍」だけですが、実際は人間の精神の営みすべての海を航海しています。

盧嘉錫総主編 『中国科学技術史』 16 杜石然主編「通史巻」

2017年03月11日 | 自然科学
 原題:卢嘉锡总主编『中国科学技术史』16 杜石然主编「通史卷」

 同じ主編者の『中国科学技術史』(1982)から骨子はあまり変わっていない。あるいは思想的には(思想の徒の当人がどう自己認識していようと科学や客観的事実はその有無すら思想と主観的な価値による判断に従属するという思想)、基本的には侯外廬主編『中国思想通史』と基本的に同じといっていいかもしれない。だが哲学・思想的な産物として同類に属する後者と比べるとき、この書においては前者と同じくアヘン戦争以後辛亥革命・五四運動時期まで叙述が延長されていることが、科学技術史の通史としては大きな成果なのかもしれないと、再読(?)したいまにして、そう思わないでもない。

(北京 : 科学出版社 2003年1月)

茨木のり子 『茨木のり子の献立帖』

2017年03月11日 | 料理
 出版社による紹介

 読んで「自分の感受性ぐらい・・・」とつい口からこぼれ出るほどに、烈しい精神の自律と矜持とを背後に窺わせる献立の組立て、そしてそれを書き留めた写真の筆跡、さらにはそれらのあいだあいだに挟み込まれる日記抄の内容、近親者の回想。あなたはいつもきれいだったと思います。

(平凡社 2017年1月)