『中国 社会と文化』13、1998年6月、154-170頁。
ベンサムの功利主義をその漢訳語(楽利主義)とともに中国に最初に紹介したのは梁啓超だが、その鼓吹者ともなった梁の功利主義思想は、『人権新説』以降の加藤弘之の言説に影響をうけたものだという事実のほか、その功利主義思想は、個人を基礎とするものではなく集団(国家・国民)全体のそれとするものであった点を指摘する。
ベンサムの功利主義をその漢訳語(楽利主義)とともに中国に最初に紹介したのは梁啓超だが、その鼓吹者ともなった梁の功利主義思想は、『人権新説』以降の加藤弘之の言説に影響をうけたものだという事実のほか、その功利主義思想は、個人を基礎とするものではなく集団(国家・国民)全体のそれとするものであった点を指摘する。