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書籍之海 漂流記

看板に掲げているのは「書籍」だけですが、実際は人間の精神の営みすべての海を航海しています。

信ヶ原雅文/石川登志雄 『檀王法林寺 袋中上人 琉球と京都の架け橋』

2013年06月16日 | 伝記
 袋中の伝については、この書をおもな出所にしたウィキペディアの同項が詳しい。ただこの書にあるがウィキペディアに惹かれていないことを一つ言うとすれば、エイサーはもとは念仏踊り、袋中が琉球にもたらしたものらしい。

(淡交社 2011年11月)

江後迪子 『信長のおもてなし 中世食べもの百科』

2013年06月16日 | 日本史
 「信長の~」はキャッチコピーで、副題こそが本題。
 大盤振る舞いの「大盤」がもとは「垸飯」(おうばん・中世の食膳の形式の一つ)であったこと、サツマイモ(唐芋)の名前が、15世紀末(『山科家礼記』長享2/1488年および翌1499年条)に見えることを知る(本書59頁)。筆者によれば、一般にはコロンブスが新大陸1526年に発見、日本(本土)へはウイリアム・アダムズ(三浦按針)が1615/元和元年に伝えたといわれているそうなので(本書137頁)、これには驚いた。ではどこから日本へと伝わったのだろう。もっとも著者はそうは思っていないようだが、これは同じ名でも別のものだったという可能性も考えるべきではないか。

(吉川弘文館 2007年9月)