「信長の~」はキャッチコピーで、副題こそが本題。
大盤振る舞いの「大盤」がもとは「垸飯」(おうばん・中世の食膳の形式の一つ)であったこと、サツマイモ(唐芋)の名前が、15世紀末(『山科家礼記』長享2/1488年および翌1499年条)に見えることを知る(本書59頁)。筆者によれば、一般にはコロンブスが新大陸1526年に発見、日本(本土)へはウイリアム・アダムズ(三浦按針)が1615/元和元年に伝えたといわれているそうなので(本書137頁)、これには驚いた。ではどこから日本へと伝わったのだろう。もっとも著者はそうは思っていないようだが、これは同じ名でも別のものだったという可能性も考えるべきではないか。
(吉川弘文館 2007年9月)