C55流線形キット(10)流線形カバー④

2013-10-10 | 鉄道模型
今回の珊瑚製C55流線形キットは“設計者”と“組立説明書を書く人”と“組立見本製作者”がそれぞれ別の人の様に思います。

『組立見本』は
『説明書』の随所に写真が載っていますが、あきらかに説明書とは違う組立をしています。

“設計者”と“説明書著者”が同じである可能性は僅かに有りますが、それにしては「どうして?と思う程に」細部まで説明して居らず、「書かれていないこと」が半分位有る感じです。

ですから説明書は殆どあてにならない感じです。

そんなわけで説明書の手順は使わず、友人からアドバイスして貰った手順で組んでいます。

「アドバイス」=それがない場合は。

そんな場合は、どうしたら一番狂わない様に組立できるのか考え抜いてから説明書を見てみて、手順は自己責任で決めるしかないと思います。


だいいち
説明書通り「流線形上カバー」と「ロスト製煙室前面」を先に組んでしまったらランボードを付ければ左右側板の間にフロントデッキが全然入りません・・・ランボードと上カバーが全然一致しないとか・・・寸法を当ててみれば最初から成立していないのです。


友人のアドバイスは

「ロスト製前面は最後に取り付けるべきである」

ということ。

それは正解だと思います。


と言うわけで収まるべきところに当ててみると長さ方向が余っていますので、きっちりしていない側=後方側が「上カバー」に収まって嵌るようにヤスリで整形しました。

(この部分が設計者の意図とずれる結果を生む可能性の部分ですね)

さて、しかし、

煙室前面は形が一番おかしなところです。

製品では煙室扉がある前面からほとんどRらしいR無しで45度折れて煙突に至ります。

ヘッドライトは煙室扉が有る側の平面上に取り付けるようになっています。

ところが実物は似ても似つかないのです。


機関車の系譜図(をコンデジで撮影)

ハンドレールと重なっていて見難いですが、ハンドレールより大きなRがお面のRです。


川車兵庫工場90年史(をコンデジで撮影)

煙室扉上端から煙突まで緩く大きなRじゃないでしょうか。


どこまで出来るか判りませんが「折れ目」部分に真鍮板を裏当てして削って雰囲気が出るように考えます。

この裏あては1mm×5mmの帯板の片側を45度角に削り落としたモノです。 


半田付けしました。

ヘッドライトの穴も一旦塞いで整形後開け直すことにします。


裏から見た姿です。

削って行ってもう一枚貼り足すのもありかなと思います。

しかしそれは慎重にします。

なぜならヘッドライトはオリジナルではなく森井義博さんのヘッドライトを使おうと考えて居るからです。


左から珊瑚ヘッドライト、森井さんヘッドライト、汽笛、珊瑚汽笛

森井さんはHO1067でC53を制作中です。

今回HOJCの競作がテーマが『流線形っぽいモノ』なのでC5343を製作中です。

それ用のヘッドライトと汽笛です。

汽笛はC55流線形ではど真ん中の腕で支えているのでちょっと大きめですが珊瑚オリジナルパーツを使いました。

ヘッドライトは森井さんのを使いたいと思います。

脚の形状は珊瑚・・・但し異様に太すぎる。

ヘッドライトの大きさはC55流線形においてはこの中間が良さそうに思います。

森井さんのヘッドライトは点灯できるように脚の中心線に穴が開いています。

それが採用の決め手です。

欠点はC55流線形用としては少し足が短い感じがする事と刺さった先の長さが短い事です。

それ故この前面は余り厚くならない事・・・・薄くなるまで削る事・・・を考えて居ます。


左右にハミ出した部分を削りました。


角張った部分を削りはじめました。


更に削って行きます。 でも、まだまだですね。


此処まで来たところで左右の幅不足解消を狙って0.4mm真鍮帯板を左右に貼り足します。


くびれたようになった部分には0.4mm+0.4mmと、二重に貼れるように工夫して見る事にします。


ハンダ用マスキングテープで位置決め。


粘着力が強くてテープも柔らかい塗装のマスキングテープも場所によっては併用します。


準備完了。

煙室扉裏側のストッパーもついでにハンダしておくことにします。


ハンダを盛りました。


斜め横から見るとこんな感じです。


裏から見たところです。


整え始めはハサミで切り落とすところから。


粗く整え


だんだんヤスって綺麗にしていきます。


この辺りで観念してヘッドライト取付と行こうかナ・・・


森井さんのヘッドライト、取付部の太さは1.15mm


慎重に以前の穴(大きな穴)の中心やや上に穴の位置を定めます。

以前の穴の上端を使うのはNGです。 脚の角度が違うのでその穴開けは不可能です。


開け終わって所定の位置に置いて検討してみます。

ヘッドライトの位置は極力後ろにしたつもりですが、まだまだ異様に前寄りに感じます。

また、こんなに前寄りに付けるとなると脚が短い事が欠点として強調されてしまいます。


この位置の穴あけの記念写真↑を撮ってからハンダで塞いで開け直します。


以前の穴を避けた位置に開け直しました。

煙室扉~煙突のど真ん中に有るべきなのですが、以前の穴が邪魔で僅かに上後ろ寄りです。


塗装のマスキングテープで押さえて外側からハンダを流して固定します。


ついでに煙室扉も取り付けました。


裏側の様子です。

ヘッドライトの取付部は貫通し切っては居ませんがなんとか目的は果たしました。


3者を重ねてみます。


ボイラーと流線形上カバーが重なってくれません。

覗いても何が当たっているのかよく判りません・・・・


ボイラー前端部に付いた煙室扉開閉用シリンダーが一番くさそうです。

此処で苦労すると思いませんでしたので煙室前面ロストを上カバーに付けるのにウェイトと強度を考えてたっぷりハンダを流した事を少し後悔します。


シリンダーを外しました。


ところがまだ重なりません。

覗いてみると煙室扉開閉用の支点である洋白線がボイラー本体前縁が完全に干渉しています。


その部分を切り落としました。

しかしまだダメです。


煙室扉と蝶番を結ぶ腕が当たっていそうなのでこの部分も切り落とします。


これで上手く行きました。


ところが、煙室扉を開けると扉上端に付いた出っ張りがヘッドライト取付穴だったハンダの部分に当たってすこし疵が付いてしまいました。

ということは、この位置に少しごつすぎるヘッドライトが付いていたら煙室扉は幾らも開かないと言うことだったのでしょうか。


下回りとボイラーをシリンダーブロック中央のビスで留めてからボイラー上カバーを被せる・・・3者合体はそれが普通の感覚だと思います。

ところがやって見ると『不可能』です。

フロントデッキの部分がそれを許しません。
私の組んだ「この物体」ではそれは絶対に許されませんでした。

ボイラーと流線形上カバーを合体させてから下回りを組み付けるのは全然OKです。
どこもぴったり組立ちます。

こうなると一体何のために見えないボイラーに部品取付やパイピングをしたのか理解できません。

(本当を言えば理由は解っているのですが・・・・また、友人がアドバイスしてくれているように吊りタコをどんどん排除して仕舞えばカバー無し流線形蒸機っぽいものをすぐに見られるようになるだろう事は予想出来るのですが・・・・納得行かない気分です)


最後に下回り・・・・という組立手順となると、少しでも長く残してあったこのパイピングも切って仕舞う事にします。


ボイラー内側にネジ止めする内部煙突・・・・煙室扉を開けると見えるモノはコレです・・・・は最初からヤスってあるのですが、もう少しだけヤスリを掛け増ししなくてはダメです。

そして、煙室扉開閉シリンダーは少し後方になら付けても問題ないかも知れないと考えはじめました。

私のこの「物体」が設計構想通りと僅かに違うのは組立順序を変えたことから来るのかもしれませんが煙室前面パーツが数ミリ後ろにずれている事かなと思います。


この腕で先台車を付けます。 合運が迫ってきているので一旦コレで観念します。

追い詰められてきて少し工作が雑になってきているようですし、どうせ間に合わなかったのですからこの後の工作は合運後に頑張ります。


従台車も付けてみて後ろから撮ってみます。

従台車が上に動く余裕が足りていないかもしれないのが心配です。

「この物体」においてはまあまあ上手く行っているかもしれません。


下から見た姿です。


これも


これも


もうひとつ

モーターとギヤボックスを組み付けていません・・・テンダーが無いですが(流改で良いとか?)


正面、ヘッドライトの高サはまあまあ上手く行ったかな・・・と


と、色々撮りましたが集中力に欠けています・・・


しかし、機関車部分が完成したという感じは持っていません。


落ち着いてよく見て、拙いところを修正しなくては・・・


まだまだ前途多難・・・ですが、厄介な山場は越したので完成まであと1ヶ月、ハンダ組立は残り28%位かなと思います。

睡眠時間を削って合運への準備してる現状ですので風邪を引かないように気をつけなくては。