模型機関車重さ比べ、SL③

2012-01-30 | 鉄道模型
今度は16番蒸機の重量を量ってみます。


16番 D51549(天賞堂ベース加工品)

D51549[中]は天賞堂完成品の塗装を剥がして部品を取り去り、大手術して特定番号機に仕立て上げた機関車です。
少し勿体ない様に思うかも知れませんが・・・

“かつて”の天賞堂製品は塗装を剥がすと素晴しい機関車が出てきます。

天賞堂蒸機の塗装は「模型の塗装であること」よりも「工芸品の塗装であること」を求めたモノだと言われてきました。

しかし、私は違う意見です。

むしろ「Nikon F」(Nikon SPでも良いです)のブラックボディーである事を狙った塗装じゃないかと感じていました。

いずれにしても・・・模型に相応しくない厚み、強度を持たせた塗装ですから思い切って剥がしてみると「生地」は素晴しいのです。

改造するにも「天賞堂ベース」はひと味違うのです。


16番 D51101(アダチキットから組み立てた特定番号機)

D51101[中]は極めて常識的なアダチのバラキット組立品です。

天賞堂ベースと比べて重さに差が無かったのが驚きです。
アダチはギヤボックスにデルリンのアイドラーが入って居ないので「静かさ」では不利かもしれません(はっきり不利とは私は認めていません)が、ボイラーウェイトがギヤボックスの上まで斜めに被さって来ていますので天賞堂より重量では有利な筈です。

キットでも「アダチ」は動輪の位相が狂わないので「良い」です。

その「良い」アダチでもテンダー車輪になると作る側の緊張が緩むのか軸と車輪が回ってしまうものが結構有ります。 (←これはたいした問題点ではないです・・・私は困りましたが)

模型雑誌は製品を褒める専門ですから製品の問題点に関する情報はありません。 キットを組まれる方は特に絶対に納得が行く説明を受けるまで模型店巡りをする事をお奨め致します。


(実はこのD51101も天賞堂ベースである疑いが出てきました。 チャンスが有れば調べてみます。 アダチはもう少し重いかもしれません)


16番 79618(天賞堂)

これはメーカー完成品のままです。


16番 C51(カツミ、スーパーシュパーブライン)

メーカー完成品のままです。 (車輪、ロッドは黒くしてありますが)

イコライジングを実物通りに稼働させたとんでもないモデルです。

タイヤは白ですが洋白削り出し(日本国内生産では比較的容易に可能)ですので黒染は楽ですし、牽引力も有ります。


箱の収納、テンダーは寝かせて機関車本体は起き上がった状態で入るようになっています。


箱のラベルです。


一方こちらは天賞堂の45周年モデル。


箱の中から箱が出てきました。


開けると嫌な予感・・・・


スポンジは完全に「行ってしまって」います。

触れば触っただけ凹むのが判ると思います。


16番 C51225(天賞堂)

重量は頑張っています。 偶然カツミとほぼ一緒です。


C55以外のスポーク動輪の機関車はこの様にオイルレスメタルが見えてしまいます。

黒いオイルレスメタルを開発するか、極端に小さなオイルレスメタルを作るか・・・・

解決したのは未だIMONだけです。


表情はナサケナい。


フォムラスも登場です。


16番 C515(フォムラス)

メーカー完成品のままですが車輪、ロッドを黒くしてあります。

韓国製なので動輪用の太い洋白棒が手に入りませんのでステンレスを使って居ます。

ステンレスは牽引力は惨めだし黒染が効かないので非常に困ります。

「タイヤ側面の白そのまま=玩具レベル」を脱するのには大きな負担が掛かるのです。

しかし、フォムラスは上回りを1/80で作っている数少ないメーカーの1つです。
(他にモデルパシフィック、ピノチオ、IMON)
細さが際だつC51には重要な事です。

この機関車の横に古い時代のT社のC51を置くと、それがまさしくD50に見えます。

D50のようなC51に見えるのではありません。 正真正銘D50そのものに見えるのです。

そんな具合に細いので軽いとも言えますが、牽引力犠牲のステンレスを使って安く仕上げた事でも判るように重量は犠牲にしています。


16番 8200(天賞堂)

8200は後のC52です。 これもメーカー完成品のままです。 牽かせるモノはペーパー客車と思ったのか重量に拘っていませんね。


16番 C5546(フォムラスベース加工品)


C55もフォムラスは恰好が良いです。

ただし〔利 尻〕を牽かせるのには向きませんので九州専門です。

(形の良さから言っても向いています)


16番 C5530(アダチキットから組み立てた特定番号機)

〔利 尻〕を牽かせるのはアダチベースしかないです。


16番 C59123(天賞堂)

広島大窓、メーカー完成品のままです。


16番 C6235(天賞堂)

こちらもメーカー完成品のままです。

HO1067と比較するには×0.7で良い線に行きますので、
511g×0.7=357.7g

PEMPのC6244が364gですので装備の違いを考えると「同じ位」という所ですね。


 重量    形式・番号    メーカー
315g   C515      フォムラス
359g   C5546     フォムラス(加工品)
369g   C51225    天賞堂(45周年記念モデル)
370g   C51227    カツミ(スーパーシュパーブライン)
388g   C522      天賞堂
408g   C5530     アダチ(キット組立加工品)
446g   C59123    天賞堂(広島大窓)
464g   D51101    アダチ(キット組立加工品)
466g   D51549    天賞堂(完成品分解組立加工品)
511g   C6235     天賞堂

私は16番蒸機は圧倒的に多数を持っています。 (確実に日本でダントツです)

HO1067の蒸機に掛けて来たエネルギーの、また台数でも2.5倍です。

特定番号機で揃えている「地域」も遙かに多様ですし、機種もメーカーも遙かに多様です。

ですから腰を据えて計量したら面白いかも知れません・・・・

しかし、我家の「工房」から離れた場所に収納されている事から言っても全く不可能です。

そのせいで主に元箱に入って工房に残って居た僅かな機種を「こりゃ拙いか」というモノを除いてお見せしただけでまことに不完全燃焼ですみません。



それにしてもスポンジの劣化は恐ろしく進んでいます。

スポンジ(ウレタン)を使って居る以上、長期的な視点では元箱には一切価値はありません。 その労力さえあれば直ぐにIMON(エコーでもよいです)の箱に入れ換えて、ラベルを移動するなどして箱は棄てるべきです。

スポンジの崩壊はビネガーシンドロームの半分から1/5の時間でやってきますので急がなくてはなりません!






模型機関車重さ比べ、SL②

2012-01-28 | 鉄道模型
全長が20m程度の大型蒸機の重さ比べです。


↑↓C6244北海道から始めます。


HO1067 C62(プレスアイゼンバーンモデルプロダクツ)



↑↓D5195信越です。 乗工社オリジナル状態のD51はコレ一両しかありません。


HO1067 D51(乗工社)

テンダーモーター(CN22)で機関車にはモーターの代わりにウェイトが載っています。


D5195のテンダーです。 モーターが載っています。 結構重いと感じます。


C6244のテンダーです。 モーターなど載っていませんが結構重いです。



↑↓D51412は乗工社製品ですがテンダーから火室内にモーターを換装してあります。


HO1067 D51(乗工社モーター換装)

LN-14を使用、アイドラーを介して第三動輪を駆動する普通の構造です。


HO1067 C55(IMON)

韓国製造でモーターはファウルハーベル1717Sです。

この機関車はC5557国内組立です。 韓国設計なので普通よりやや軽い仕上がりです。


HO1067 D51(IMON)

D5170の「製品のまま」です。 (IMON製D51で一番重さが軽いグループです)

IMONのD51は設計が乗工社ベースですが、IMONコアレス1616Sを使用して火室が空いた分バックプレート裏側にウェイトを、そしてシリンダーブロック内にウェイトを積んでいます


シリンダーブロック内のウェイトは17gでした。


火室内ウェイト“丸”は11g


火室内ウェイト“角”は12gでした。

モーターが小さい事から追加された火室ウェイト+シリンダーブロックウェイトでプラスアルファの「重さ」を持ったと言うことです。


HO1067 D51(IMON)

D511151の製品そのままです。 (重装備;IMONのD51で一番重いグループです)


HO1067 C61(IMON)

C6118[青森]です。
この製品からシリンダーブロックにもD51用ウェイトが搭載されました。 従って製品として発売されていたこれ以前のC61は380g~388g程度と思われます。

IMONのC61が極めて重いのは、第2動輪にモーターが吊り掛けて有り、その前後全てウェイトであること、D51と同一のボイラーながら煙室が長いのでボイラー内ウェイトも大きくできるからです。 

(重さに一番大きく影響するのはスノープラウの「有無」です)


HO1067 C57(IMON)

C57101戦前仕様のサウンド無し・・・C57で一番軽い機関車です。

「サウンド無し」は1.5V電球を定電圧点灯としていますのでその基板の分だけウェイトが減って製品内最軽量になってしまっています。

ボイラー内ウェイトはタングステン(ウェイトとしての比重18.1)であり、シリンダーブロックにもウェイトが載っています。


HO1067 C57(IMON)

C575サウンド付きです。

サウンド付きはヘッドライトは電球ではなく小さなチップLEDで、テンダー上にある基板から配線されています。 従って定電圧基板(灰箱内)が不要で鉛のウェイトに置き換わっているのです。


HO1067大型機関車重量一覧

 重量    形式・番号    メーカー
278g   C5557     IMON
333g   D51412    乗工社(火室内モーター換装)
358g   D5170     IMON(最も軽量なD51)
360g   C57101    IMON(最も軽量なC57)
364g   C6244     PEMP
371g   C575      IMON(サウンド付の標準)
379g   D511151   IMON(最も重いD51)
402g   D5195     乗工社(テンダーモーター)
405g   C6118     IMON(最も重いC61)


C59が無いのが残念です。 私の手元に現在無いのです。

これら大型蒸機は「まだ良い」です。

いずれ単機で10~11連の大雪崩れを牽かなければならないC58を作る時、どうやって330g程度を確保するかが重い目標です。







模型機関車重さ比べ、SL

2012-01-27 | 鉄道模型
先日、秤を持ち出して機関車重量を量ってみました。
量り始めると面白くて色々量ってしまいました。

その結果報告ですが、まずはHO1067の蒸汽機関車から参ります。

Part1; 小型機関車、古典機関車などが含まれる軽量なものを「軽量な順」に発表します。

HO1067 B20(ワールド工芸) 1944年~郡山工場他

HO1067 6250(乗工社) 加熱式に改造(1921年)された1897年製“ネルソン”

ボイラー内にウェイトを積むためにモーターはテンダー上に移されていますが「小さく作る事を可能にしたファインスケール」に於ける古典機はどうしても重量が稼げません。


HO1067 1070(乗工社) “ネルソン”同形の“ダブス”(1902年)を2C1タンク機に改造(1926年)した機関車

概してタンク機関車の方が機関車重量を稼げますが、遊軸が増えるので動輪に掛けられる重量は同系のテンダー機より「少し多くなる」程度だと思います。

テンダーモーターの“ネルソン”と同じ構造にしてありますので運転室内にモーター軸が見えるのがご愛敬です。

HO1067 C56(珊瑚模型店) 1935年~日立製作所他


HO1067 2120(乗工社) 1898年から英独米より大量に輸入されB6として親しまれました。

HO10672100(乗工社) 1890年英ダブス製、動輪径を拡大したB6大増備の魁です。

HO1067 8100(モデルワーゲン) 1897年ボールドウィン。

小さい機関車ですが「テンダーモーター」の効果で意外に重量があります。

(この機関車は車高を下げてあります)


HO1067 夕張鉄道11(モデルワーゲンベースIMON特製品) 1926年日立製作所


「下回り9200形」と言われた夕張11形ですが、9200形パーツを流用している部分をはじめ全体の半分近くを新製して、テンダーモーターから火室内モーターに変更して組み上げた機関車です。


HO1067 8620(八雲工芸) 1914年~汽車会社他

メーカー完成品です。 夕張11形に1g勝ったのはデフ付きだからでしょうか。

HO1067 C12(珊瑚模型店) 1932年~日本車輌他

HO1067 9200(モデルワーゲン) 1905年ボールドウィン 日露戦争で発注するも戦場には間に合わず。

(この機関車は車高を下げてあります)


HO1067 9600(珊瑚模型店) 1913年~川崎車両他

この機関車は少数作られたと思われるメーカー完成品です。

(小型機、古典機の中に9600を入れるのは一寸変な感じですが)

HO1067 4110(モデルワム) 1914・17年川崎車両

HO1067 C11(IMON) 1932年~日本車輌他

タンク吊り付きの方が微妙に重いかもしれませんがここでは割合一般的なC11227を重量比較に選びました。


HO1067古典・小型機関車重量一覧

 重量    形式    メーカー
 71g   B20    ワールド工芸
131g   6250   乗工社
165g   1070   乗工社
168g   C56    珊瑚模型店
186g   2120   乗工社
187g   2100   乗工社
199g   8100   モデルワーゲン
203g   夕張11  モデルワーゲン/IMON
204g   8620   八雲工芸
205g   C12    珊瑚模型店
217g   9200   モデルワーゲン
241g   9600   珊瑚模型店
248g   4110   モデルワム
275g   C11    IMON

機関車の重量に拘っているIMONとしてはC11が頑張っているのは嬉しいです。

バックプレート裏側やシリンダーブロック、サイドタンク用にウェイトを作って搭載しているIMONですから当然です。

明日は20m級の比較です。







靴の更新

2012-01-26 | ノンジャンル
5~6年前からASICSのPEDARAという革靴風のウォーキングシューズを2種類買って、会社に行く日は毎日交互に履いてきました。

銀行の会に行くのにあまりにみっともない痛み方だったので買い換えに伊勢丹メンズ館に次期ウォーキングシューズを捜しに行きました。


結局見つけたベストの靴はこの写真右側の靴です。

左側の靴は履き古し、なんと全く同一モデルです。


裏側の「使用前」「使用後」です。

完全に同じ靴を買うのは初めてだと思います。 世の中、やはり進歩はストップしたのか?





銀行の会

2012-01-25 | 鉄道模型ではない仕事

毎年恒例の銀行の会が白金八芳園白鳳館で開かれました。


銀行幹部の勢揃いです。

ホールディング会長は着席サイドです。


今年も料理が凄かったです。

これは「牛背肉すき焼き仕立て」です。

黄色い塊は程よい硬さに仕上げられた卵黄です。

味は割り下が掛けられており、お箸で卵黄を取って食材に乗せて食べるものです。


さて
かつて無いほど数多い「高リスク」に囲まれた日本、経済の先行きは厳しさを増すばかりです。
日本は貿易赤字に転落したというニュースも聞こえてきました。

持たざる国が謙虚さを失っている姿が目に余る・・・こんな日本が心配です。