魚のぶろぐ

2006/5/28~。現在復旧作業中で見苦しいところもありますが、ご容赦願います。

ウナギ属魚類Anguilla japonicaの標準和名

2010年11月28日 01時34分08秒 | Fish news

ウナギ目ウナギ科はウナギ属のみからなり、23の有効種および亜種を含むグループです。うち日本産のウナギ属魚類の一種であるウナギAnguilla japonica  Temminck and Schlegelの標準和名が改名されることになりそうです。

新しい標準和名案は「ニホンウナギ」。これは「日本魚類学会」の発行する和文誌「魚類学雑誌」の中で提案されているものです。

理由は

1.日本で種苗生産を補うために導入された外国産ウナギとの区別を明確にするため
2.魚介類の養殖系の雑誌では「ニホンウナギ」「ジャポニカ種」と呼んでいたため
3.ウナギ属を指すのに「ウナギ」と多用するため、紛らわしくなる

などです。

では今回改名が予定される「標準和名」とは何でしょうか。なぜ改名する必要があるのでしょうか。

標準和名は魚類の名称を安定させかつ普及を確保するためのもので、種や科・属といった分類階級に与えられる固有の学術的な名称とし、学名と同様、一つの魚種に対して、原則的に一つのみしか与えられません(ただし例外としてサケ科では、降海型と陸封型について其々別の標準和名が与えられることがあります。(例)サクラマス・ヤマメ、サツキマス・アマゴ。前が降海型、後が陸封型)。

今回の改名は2007年に行われた「差別的語を含む標準和名の改名とお願い」(日本魚類学会のホームページhttp://www.fish-isj.jp/info/j070201.htmlより)の答申を参考にしてみますと、なるほど、という感じがします。もっとも、今回の件につきましては、「一般的にあまり知られていない種」でなく、食用として重要でかつ日本人であればだれでも知っているような魚が対象ですが。

2007年の上記の件や、2008年のメバル消滅、といった具合にまたマスコミや一般の方々にも、標準和名の有り方とか、そのようなものが話題になるのだと思われますね。新和名が認められるのはいつになるのでしょう。2007年の改名のときは、4年ほどかかりました。

(魚類学雑誌の中で紹介されてはいたが、今回魚類学会ホームページの中でもそれについてアップロードされており、ここでも紹介させていただいた)

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2 コメント

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Unknown (相模湾)
2010-11-28 08:10:50
今回の論文を書かれた方は、何年も前から改称を提唱されていますね。たしかに、その方面では紛らわしく、不都合なこともあってのことと思います。しかし、標準和名のもっとも大きな意義、不変性ということを、もう一度考えていただきたいと思う次第です。
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Unknown (椎名)
2010-11-28 17:07:42
たしかに標準和名は安定性と不変性というのが大切ですね。児童書でも「あゆ」「こい」「ぎんぶな」「うなぎ」とかいえばわかりやすいですが、「にほんうなぎ」はどうかなという気もします。
ただ元をただせば、海外からウナギ種苗を導入しなかったらこのようなことが起こる理由がひとつ減ったのかなとも思わせますね。
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