魚のぶろぐ

2006/5/28~。現在復旧作業中で見苦しいところもありますが、ご容赦願います。

テングダイ

2013年02月03日 20時53分19秒 | 魚紹介

 
昨日ブログを更新する予定でしたが、それを書く前に飲み会へ行ってしまいました。すみません。2月3日で今月最初のブログ記事は、スズキ目カワビシャ科のテングダイEvistias acutirostris (Temminck and Schlegel, 1844)です。
 
 
テングダイを含むカワビシャ科の魚のうち、いくつかの種は「アーマーヘッド」と呼ばれ、その名のとおり武装されているのですが、本種も頭が硬いものの、それほど武装はされておらず、そのながく出た口からボアフィッシュ、イノシシ魚などと呼ばれているようです。
 
テングダイは日本の黒潮が当たる地域に多く、フィリピンなどでは見られないようで日本近海(および韓国)の固有種とおもわれがちですが、南半球のオーストラリア、ロードハウ島、ケルマデック、ノーフォークに分布しているようで非情に興味深い分布域です。さらにハワイ諸島にも生息します。
 
テングダイ属は世界で1属1種。よく似て見える魚のカワビシャHistiopterus typus Temminck and Schlegel, 1844、ヒョットコダイZanclistius elevatus (Ramsay and Ogilby, 1888)、ショートボアフィッシュ Parazanclistius hutchinsiHardy, 1983、いずれも1属1種。
 
 
★カワビシャ
 
 
カワビシャHistiopterus typus Temminck and Schlegel, 1844は以前深海魚のとこで取り上げたと思いますが、この種もテングダイに似ています。違いは背鰭の第3棘と第4棘が長く伸びること、後述する臀鰭の棘の形状など。また模様もテングダイは黄色と黒の縞模様で鮮やかなのに対し、カワビシャは茶色っぽい体で、淡色の模様がわずかに入るくらい。テングダイは水深250m以浅にすみますが、カワビシャはやや深海性で、水深400m以浅にすみます。たまに水深40mくらいの場所で見られることもあります。
 
 
 
 
 
カワビシャHistiopterus typus Temminck and Schlegel, 1844の臀鰭棘は2番目の棘が著しく太く、また第3棘よりも長いです。
 
 
テングダイEvistias acutirostris (Temminck and Schlegel, 1844)の臀鰭棘、第2棘は太いですがカワビシャほどではなし。第3棘は第2棘と同じくらいで、それよりも短い場合もあります。
 
ちなみに同科のツボダイやクサカリツボダイでは臀鰭棘の数が4もしくは5本あります。
 
★テングダイの食べ物
 
 
この仲間は何を食べるのか。胃の中をあけるとこのような生き物が多数出現。何か分からなかったのですが、棘皮動物のテヅルモヅル、あるいはウミシダの仲間ではないかと思われます。やや深い岩礁域や深海にはこの仲間はよく見られます。ツボダイの胃の中からも、棘皮動物の仲間はよくでてくるようです。
 
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