今年の4月に採集してきた魚のご紹介。ハゼ科のミナミイソハゼ。イソハゼ属の魚は琉球列島には何十種もいるのであるが、潮だまりにも入るものは意外と少なく、このミナミイソハゼはそのなかでも代表的な種といえるだろう。
ミナミイソハゼの雌
ミナミイソハゼについては今年5月にも触れているのだが、その時は写真では紹介していなかった。「ミナミ~」というと、何となく熱帯の鮮やかなハゼを想像するのだが、本種は灰色っぽく、お世辞にもあまりきれいとはいえない。ただし飼いやすいハゼであり、以前の個体は何年も生きた。水槽のライブロックにコケが生えていて見苦しい。ごめん。
我が家ではナンヨウミドリハゼと同じ水槽で飼育していたが、生息場所はナンヨウミドリハゼとかなり異なっていた。ナンヨウミドリハゼは岩礁性のタイドプールにすみ、ハクセンスズメダイやらイワサキスズメダイなどと一緒に見られたが、ミナミイソハゼはイノー(礁湖)に多いようで、ルリスズメダイやスジブチスズメダイなどと一緒に見られた。この個体は礁湖の中に生えていた海藻のなかに潜んでいたもの。琉球列島ではごく普通にみられるほか、高知県などで採集されたこともある。ただし私は高知県ではまだナンヨウミドリハゼ以外のイソハゼ属を採集したことがない。ほかの魚との混泳もしやすく、ナンヨウミドリハゼのペア?を別水槽に移してからは水槽のボスに。
ミナミイソハゼの雄
今回はミナミイソハゼは2匹お持ち帰り。雌雄1それぞれ1個体。雄は背鰭がぴんっ、と張っていて格好いい。ペアを飼育していると産卵する様子を見ることができるかもしれない。ただし産まれてきた子を育てるのはなかなか難しい。
2010年のミナミイソハゼ
2010年に採集した個体も何年も生きた。長生きさせると鰭の赤い模様もも美しく出てくる。餌は冷凍のプランクトンフードから大粒の「海藻70」Mサイズまで色々食べてくれるのでうれしい。ほかの魚との混泳はしやすいが肉食の魚との飼育は絶対にやめたほうがよい。
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