今回の島勝浦での最大の成果、といってもいいのが、このギンイソイワシ。
ギンイソイワシは「イワシ」という名前がついていますがイワシの仲間ではなく、トウゴロウイワシ目と呼ばれるグループの魚です。トウゴロウイワシの仲間は熱帯域に種類が多いものですが、南日本の沿岸でも数種類を見ることができます。
ギンイソイワシ属の魚はこれまであまり縁がなく、ここ10年ほどは無縁の魚でした。今回は、きちんとこの仲間を見分けられるようになってからは、初めて釣ったと思います。
九州地方以北の沿岸に多いのは、この種類とトウゴロウイワシです。この2種は横からみて同定するのは難しいのですが、腹部をみると容易にわかります。ギンイソイワシの場合肛門は腹鰭の後端より少し後方に開孔するのですが、トウゴロウイワシでは腹鰭の基部と後端の間に開くのが特徴となっています。
三重県周辺ではこのギンイソイワシのほか、ヤクシマイワシを確認しています。トウゴロウイワシもおそらく生息すると思われます。
上から見ると普通のイワシの仲間のよう。横から見るとボラの仲間のようですが、トウゴロウイワシ目とボラ目魚類は、タウナギ目、トゲウオ目、ダツ目、カダヤシ目、およびエラッソマ目からなる「スメグマモルフ系」のグループの一員とされているものの、姉妹群であるとすべき意見や、これに反対する意見などあり、まだまだスメグマモルフ系の全体像を含め、研究が必要なグループです。
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