魚のぶろぐ

2006/5/28~。現在復旧作業中で見苦しいところもありますが、ご容赦願います。

リュウグウノツカイ

2018年02月03日 21時31分41秒 | 魚紹介

この間もまた面白い魚を購入した。アカマンボウ目・リュウグウノツカイ科・リュウグウノツカイ属・リュウグウノツカイ。

リュウグウノツカイ自体、触るのは8年ぶりくらいで久しぶり。前回は丸ごと1匹、ほぼ完全な状態で入手できたものの、今回は残念ながら尾部のほうが切れてしまっていた。この種はどうやら尾の部分を「自切」する方法により捕食者から逃れているようである。そのかわり鮮度はかなり良く、鰭も真っ赤で腹鰭も細長く残っていて感動。送っていただいた長谷川大樹さん、ありがとうございました。

口を伸ばしたところ

口は伸長させられるが、その伸ばし方はおなじアカマンボウ目のサケガシラなどとはちょっと違う印象を受ける。

胃内容物

食性は魚類や小型甲殻類、イカなどを捕食するようである。今回の個体は胃の中に大量のアミの仲間と思われる小型甲殻類が見られた。

過去にはこの「学界の珍種」を食したことがある。2009年に東シナ海、以西底曳網の漁師さんから頂いたものである。この顛末は以前にも記事にしているので、覚えている方も多いであろう。あのときのものは2m以上もある大型個体。今回は体が自切しており、体高も低い小型個体で、家庭でも捌きやすいサイズであった。以前入手したものはそのまま塩焼きにしたが肉が極めて水っぽいものであった。「東シナ海・黄海の魚類」では、「水分が多くて柔らかく、煮ても焼いても硬くならない」とあるが、まさしくそうであった。宇和島のぼろいアパートにある冷蔵庫で保管していたが、荒廃の二人に配り、なんとか消費できたという感じであった。

水っぽいリュウグウノツカイから水分を取るにはどうすればいいのか。それは干してしまえばいいのだ。とりあえず一夜干しして水分を抜いてみたが・・・まさかのペラペラに。とりあえず焼いてみることに。

実際に食べてみるがちょっと硬い。ただし食感などはタラの干物に似ている。味は悪くはなく食感はとてもよい。

体が銀色だが、焼いた跡の皮にも銀色がかすかに残っている。タチウオのものと同じようなものかとおもったが実際には違いそう。なお骨も鰭もまるごと食することができ、なかなか美味であった。

従来は5種ほどが有効種とされていたリュウグウノツカイ科であるが現在は2属3種が有効種とされ、リュウグウノツカイ属は大西洋や東太平洋に生息するRegalecus glesneと、日本近海を含むインドー太平洋にすむR.russeliiの2種が有効のようである。日本に生息するのは後者であり、リュウグウノツカイの学名はRegalecus russeliiである。


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