魚のぶろぐ

2006/5/28~。現在復旧作業中です。ご容赦願います。 ぶろぐの写真はオリジナルです。無断転載はお断りします。

アイアナゴ

2023年05月17日 02時23分51秒 | 魚紹介

先月鹿児島からやってきた「うんまか深海魚」の一種のご紹介。ウナギ目・アナゴ科・アイアナゴ属のアイアナゴ。アイアナゴ属の種類は何種かいるようだが、日本では1属1種である。アナゴの仲間で食用種といえばマアナゴやクロアナゴ、ゴテンアナゴといった浅海種が多いが、深海の種類も食用にされるものが多数いる。アイアナゴもその一員といえる。

深海性のアナゴの仲間は浅海のものと若干キャラクタが異なる。ニセギンアナゴやキツネアナゴ、ツマグロアナゴ、以前このぶろぐでもご紹介したミナミアナゴといった種が含まれている。いずれも見た目がよく似ていて難しいという人もいるかもしれない。

アイアナゴの上顎

そのようなときは口腔内を見ればよいだろう。ミナミアナゴなどは口腔内の歯は歯帯をなすがアイアナゴやツマグロアナゴといった種は歯帯を形成する。そしてアイアナゴの鋤骨歯は一列で大きいことでツマグロアナゴ属の種と見分けることができる。オキアナゴもこれらのアナゴ同様深海性の種であるが、オキアナゴの場合尾部に大きな黒色斑がありよく目立っている。

どちらもアイアナゴ

アイアナゴの体色は金色っぽく美しい色ではあるが、もしかしたら生きているときと色彩は異なるのかもしれない。オキアナゴは釣りあげられてすぐのときは体が茶褐色であるが、釣りあげてしばらくすると色が薄くなった(腹面が白っぽい)。同じく深海性のアイアナゴも漁獲されてすぐのときはこの写真とは色彩が若干違っている可能性はある。アイアナゴは「魚類検索」第三版では水深750~760mの深さに生息するように書かれているが実際にはもっと浅い海にもいると思う。この個体は鹿児島県錦江湾の小型底曳網漁業、いわゆる「とんとこ漁」で、水深200mほどの場所で採集されている。一方でFishbaseでは18~760mとされている。生息水深が相当に広い種といえるのかもしれない。分布域は駿河湾以南の太平洋岸、東シナ海、インドー西太平洋の深海である。

今回は唐揚げと煮アナゴで食してみた。唐揚げは田中積さんに教えていただいたもの。揚げたては美味しい、一方ひと晩するとイマイチな感じ。今度は鹿児島で食べたい。残りは煮アナゴで食したがこれはかなり美味しかった。なお、このアナゴの唐揚げだが実はアイアナゴのほかにもう1種また別のアナゴ科魚類が混ざっている。鹿児島市 田中水産 田中積さんいつもありがとうございます。


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