前回の続きになります。
今回紹介する2属の魚たちはおもに沿岸の浅海域に生息するものが多いので、底曳網ではあまり漁獲されていません。今回の魚は琉球列島を中心に分布する魚たちです。
●3 ヨコシマタマガシラ属Scolopsis
前鰓蓋骨下縁や第4眼下骨の縁辺に鋸歯があり、このほか眼下骨に大きな棘があります。タマガシラ属は本種ににていますが、眼下骨の大きな棘を欠き、ヨコシマタマガシラ属の魚と区別できます。
いずれも浅海のサンゴ礁や、その周辺の砂底に生息します。日本産は8種ですが、鹿児島県から日本に生息しないと考えられていた種の水中写真が報告されており、今後日本産種が増えそうです。
写真の種類はヨコシマタマガシラScolopsis lineata Quoy and Gaimard。サンゴ礁域や砂底で見られるおなじみの魚です。この仲間では幼魚と成魚で模様や色彩が異なるほか、産地によっても色彩が変わるものがいたりします。
●4 キツネウオ属Pentapodus
キツネウオの仲間もサンゴ礁に生息する普通種です。体高がやや低く、第4眼下骨や、前鰓蓋骨の下縁に鋸歯がない、頭頂部の鱗域の先端は直線状である、頬部に4列以上の鱗があるなどが特徴です。
キツネウオの仲間は日本にはイトタマガシラ、キツネウオ、ヤクシマキツネウオの3種が知られています。ヤクシマキツネウオはその名の通り屋久島から日本初記録として報告されました。
写真のはホワイトショルダードホイップテールPentapodus bifasciatus (Bleeker)という、西部太平洋産のキツネウオ属魚類で残念ながら日本には産しません。この種はあまり伸びませんが、この仲間の中には尾鰭の先端が著しく長く伸長するものもいたりします。
この仲間の幼魚は青と黄色の縦帯があり美しいので観賞魚として輸入されることもあります。観賞魚業界ではバナナフィッシュとかいう名前でも呼ばれているようです。
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