魚のぶろぐ

2006/5/28~。現在復旧作業中です。ご容赦願います。 ぶろぐの写真はオリジナルです。無断転載はお断りします。

シビレエイ

2016年05月02日 10時44分30秒 | 魚紹介

これから1週間ほど行方をくらまします。休暇です。携帯は持っていきますが、PCやタブレットなどは残念ながらおいていきますのでお返事が遅れることになると思います。

足摺沖のシビレエイ

このぶろぐでは板鰓類の登場は少ない。サメの仲間も驚くほど少なかった。ドチザメ科のサメもエイラクブカとホシザメしか出てこなかった。サメの仲間は背鰭に見える鰭条がなく同定が厳しい。エイも過去に5種しかこのぶろぐに登場していない。

今回はエイの仲間でもちょっと異端な種、シビレエイを紹介。検索図鑑第二版ではエイ目シビレエイ科となっているが、2013年の第三版では目がかわり、シビレエイ目・シビレエイ科となっていた。魚類検索第三版ではシビレエイ・ハクテンシビレエイ・ネムリシビレエイ・ヤマトシビレエイ・ゴマフシビレエイ・タイワンシビレエイの6種がシビレエイ科として掲載されているが、海外の文献や国内でもまた別の図鑑(日本の海水魚)では最初の3種をシビレエイ科Narkidae(シビレエイ属、ネムリシビレエイ属など6種)、ヤマトシビレエイやゴマフシビレエイをヤマトシビレエイ科Torpedinidae(1属)、タイワンシビレエイの仲間をタイワンシビレエイ科Narcinidae(4属)と分けている。このほかにオーストラリア近海に特有のHypnidaeという科もある。これはゴウシュウシビレエイと呼ばれる1種のみをふくむ科で、見た目もほかのシビレエイの仲間とは大きく異なるユニークな種類である。

尾鷲のシビレエイの黒い模様

日本に生息しているシビレエイの仲間は2種。シビレエイとハクテンシビレエイ。ハクテンシビレエイはシビレエイに似ているが体盤の背面に大きな白色斑があることや腹鰭の縁辺が凹むのが特徴とされている。シビレエイは腹鰭前縁は凹まず体の背面には白色斑はない。ただしシビレエイには体盤背面に黒い点が出ることがある。

標準和名や別名の「デンキエイ」は本種が発電を行うことに由来。体盤の前のほうにハチの巣のような形の発電機をもち、50~60ボルトの電気を出す。温和な種で自分から攻撃することはまずないのだが、網にかかったときなどに注意する必要がある。食べることも可能なようだが、普通は水揚げされていない。沖合底曳網漁業では水深150mほどの海底でよく漁獲されているが、もっと浅い場所でも定置網などで漁獲されている。

シビレエイの背鰭

なお沖合底曳網漁業ではほかにヤマトシビレエイも見ているのだが、この種はもっと深い場所に多いようだ。なおヤマトシビレエイは背鰭が二つあるので一つしかないシビレエイとの区別は容易。

シビレエイの稚魚

なおエイの仲間はガンギエイの仲間をのぞきすべて胎生で仔魚を産む。この個体もトップ画像の個体と同じ網で採集された。

 

コメント
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