2021.6.4放送
世の光の時間です。いかがお過ごしですか? 原田憲夫です。
さて今日も私たちの人生を旅に重ねながらご一緒に考えてみます。新約聖書ルカの福音書24章32節をお読みします。
「二人は話し合った。『道々お話しくださる間、私たちに聖書を説き明かしてくださる間、私たちの心は内で燃えていたではないか。』」
エルサレムの西約11キロ離れたエマオという村へ向かう二人のキリストの弟子がありました。それは悲しみと失意の旅、まさに日没の旅でした。というのも、救い主、主と慕っていたイエス・キリストがエルサレムで十字架刑に処せられたことで、すべては終わったと希望をなくしていたからです。
そんな二人に近づき話しかけてくる旅の人がありました。二人は道々、エルサレムで起きた悲劇をこの旅の人に話します。するとこの旅の人は、聖書が約束する救い主キリストについて熱く語ります。そうこうしているうちに夕暮れ時にエマオに着きました。
二人は旅の人を客として迎え入れます。食事の時間になり旅の人がパンを祝福し裂き、二人に渡した時でした。その瞬間、二人の心の目が開かれ、何とこの旅の人がキリストだと初めて気づいたのです。二人は悟りました。「道々お話しくださる間、私たちに聖書を説き明かしてくださる間、私たちの心は内に燃えていたではないか。ああ、十字架にかけられた主キリストが三日目によみがえったという話は本当だったんだ」と悟ったのです。
ところであなたは今、どんな人生の旅路にあるでしょうか。悲しみと失意、孤独と不安の旅路でしょうか。誰でも、心の支えであった大切な存在を失うということはその心にぽっかりと大きな空洞をもたらすものです。何もかも投げ出したい、生きることに疲れた、そんな風に心が荒んでしまうものです。しかし復活されたキリストは、こう呼びかけています。
「見よ。わたしは世の終わりまで、いつもあなたがたとともにいます。」
そうです。キリストは、私たち、あなたの旅の間、ずっと共に歩まれる旅人の同伴者なのです。あなたもこのキリストを心にお迎えください。心は燃えてくるでしょう。そしてぜひ一度、あなたの町の教会に行ってみてください。心に静けさが訪れるはずです。
( PBA制作「世の光」2021.6.4放送でのお話より )
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