僕らの世代は、正義の味方の時代だった。ここに悪い奴らが居て、この悪い奴らを懲らしめるのが正義の味方、僕らのヒーローだった。遊びの場でもはっきりと分かれていた。上の者が“ええもん”になり、年下の者が“わるもん”になった。そうして、“ええもん”は必ず勝者となった。
それは昭和32年2月24日午後7時のことだった。行きつけの床屋のKくんちにいよいよ始まる“月光仮面”を観に出かける。床屋の庇は低く、通りの喧騒に負けず店内には親父さんをはじめ、5人ほどの女の子が忙しく働いていた。皆さん金の卵である。入って右側の鏡を前に椅子が3台、通路を挟んで左側、背にして椅子が2台並んでいた。店内に入ると、正面の鏡に表の明るい通りが写っていた。今日は、店内を突っ切って通路から右にある小さな部屋に入る。すでにKくんは寝転んでテレビを見上げていた。テレビは店内に向けてられているが、すぐ下で鑑賞できるこの部屋は特等席である。
Bing 動画(クリックしでご覧ください)
国産初のテレビ番組“月光仮面”の第1回“どくろ仮面”は30分だったが2回目からは平日の10分番組だった。始まるや否や即、続きになる。人気の高まりとともに文句が殺到したため、第2部“サタンの爪”からは日曜日の30分番組となった。
悪事のあるところへホンダのオートバイに乗って駆け付け、「月光仮面の歌」とともに颯爽と現れ、悪を蹴散らし正しい人々を救い出す。自らの正義の心と身ひとつによって悪を懲らしめる。昭和33年5月から月刊誌“少年クラブ”(講談社)で桑田次郎が漫画化。好評を受けて東映は映画化した。34年お正月映画の“魔人の爪”では、松下トモ子(訂正:松島トモ子)が出演している。
すでにアップさせていただいたが、月光仮面の正体は?のシーン Bing 動画
最終回「その復習に手を出すな」の最終クランクアップの記念撮影風景 素顔を見せている大瀬康一さん
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます