花の四日市スワマエ商店街

表参道スワマエ商店街会長のひとり愚痴

諏訪駅で降りて ①

2022年07月10日 | レモン色の町

昭和30年6月8日水曜日、辻俊文さんは愛用のカメラを持って辻写真館を出た。来年(昭和31年9月)には取り壊されるであろう諏訪駅の前に立つと、東の三泗百貨店方向にカメラを構えた。午後3時30分頃、梅雨空の合間から午後の日がさす。小学生は午前事業で目につくが、高校生は帰宅途中だろう。多くの人のにぎわい、日常のゆったりした時が流れる。

正面に映画館の看板があがる。弥生館では、東宝映画を上映中、志村喬の“男ありて”である。

『スパローズの監督 島村(志村喬)は、とにかく野球一筋に生きてきた男。今日も家族の迷惑を考えず、新人ピッチャーの大西(三船敏郎)を下宿させると出かけて行く。今期のスパローズは成績が悪く、島村や主将にとっては悩みの種、そんな中、娘のみち子(岡田茉莉子)が大西と親密になって、一層、島村をいらだたせる。しかし、塁審を殴って1か月の出場停止を食らったことが、彼に妻の苦労を覚らせる機会を与えた・・・。』

一方、諏訪劇場は、路地を南に曲がり“田中医院”前を抜けると右にあった。6月25日(土)からの封切りは菅原謙二主演の大映映画「東京暴力団」だ。

『日本ニュースの記者大村(菅原)は、カメラマンの谷と共に大島三原山に心中未遂事件の取材に出かけた。その帰りの船中で、大島で見かけたアベックの一人 ヒサ子という女性が海に身を投げ自殺する。大村は、ヒサ子の残したバックから、東京で起きた射殺事件の記事を見つけヒサ子の死が怪しいとにらんだ。桟橋に着くと大村らは人相の良くない連中に「深入りするな」と囲まれる。』

旧東海道沿いにあった“諏訪駅”は、利用客の増加に対応するため、昭和17年公園通りの南角、キタオカさんの南側あたりへ移転した。昭和31年9月まであった諏訪駅である。


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