10月24日金曜日午後6時より、スワセントラルパーキング2階会議室において映画鑑賞会を行い50名の方にお集まりいただきました。心より御礼を申し上げます。
小暮と若尾
作品は溝口健二監督“祇園囃子”で昭和28年の作品です。舞台は空襲を免れた京都。京都の祇園で生きる芸妓(小暮実千代)と舞妓(若尾文子)のお話でした。早速Tさんから感想を頂戴しました。ありがとうございました。
浪速のしたたかな女将
溝口監督らしい作品でした。(昔の?)日本人女性の美しさ(外見・内面共に)を描かせたら右にでる者はなかったのでは?
この作品は祇園の色街が舞台で、舞妓、芸妓の華やかな衣装と身のこなしにはため息が出ました。
芸妓の小暮と舞妓の若尾が各々の手代に応じた女性美を違った形で見せてくれました。
小暮→ 日常の所作の一つ一つから自然に滲み出る女盛りの色気を
若尾→ お茶、お華、踊り、三味線、太鼓、小鼓の稽古に精を出す舞妓の初々しさを
細かい事ですがお披露目シーンで二人が、お得意さんへ挨拶廻りをする時の弾む足取りの中、玄関を入る時には右足から、出る時には左足からと足の運びがピタッと揃っていたのには驚きました。
そして結末、肩を並べた二人が凛として歩いて行く後姿が印象的でした。
カラーではなく白黒だったのも功を奏していた様に思いました。
進藤の名演技
余談になりますが“役者魂”というか“根性”というか、進藤英太郎が老人を演じるに当たって上の前歯を抜いていましたね。
老け顔を作るには、特殊メイクという方法もありますが、歯のない口元というのがどうも一番みたいです。
これは他の作品にも見られます。例を挙げると
「キクとイサム」の北林谷栄
「楢山節考」の坂本スミ子
「家族」の笠 智衆 等です
まさに身体を張った(身を削った)演技といえるでしょう。
素麺を食べる小暮の身のこなし