「雨の休日の昼下がりは、辞書を読んで退屈をまぎらわすのがいちばんだ。辞書の中には発見と驚きが詰まっている」とおっしゃる永江朗さん。“広辞苑の中の掘り出し日本語”新潮文庫。
辞書を作る話は、当ブログ2014年の5月9日での“舟を編む”で書かせていただきましたが、永江さんは辞書を隅々まで読んで楽しんでみえます。
29ページにおもしろい記述があった。“魚は江湖に相忘る”「荘子」の言葉だそうで“人は道術に相忘る”と対句をなすそうです。魚が湖や川で、水の存在を忘れてのびのびとくらすように、大道を知る人は小さな仁義を忘れて悠々と生きることのたとえだそうです。
永江さん、こう云っています。
最近、細かいことでイライラしたり、細かいことで文句を言ったりする人が増えたような気がする。レジの順番を間違えたとか、電車の中でぶつかったとか。そんなときは「人は道術に相忘る、魚は江湖に相忘る」といって笑ってすませよう。
世の中たいていのことは「だいたい」でいいと思う。「いいかげん」までいくと、やり過ぎかもしれないけれど、でも「あそび」の範囲ならいい。もっとも、この言葉の意味は、あくまで「大道を知る人は」が前提だから、そこんとこも忘れちゃいけない。
“燕雀安んぞ鴻鵠の志を知らんや”(えんじゃくいずくんぞこうこくのこころざしをしらんや)の気持ちで、ごちゃごちゃした細かいことは気にしない気にしない。それよりなにより、もっと大きなことに取り掛かる様に・・・・と言い聞かせようと思っておりますが・・・これが・・・・なかなか・・・・デアリマス。