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農を語る

自然にやさしい不耕起栽培

不耕起栽培の全容(4)

2014-03-19 20:38:04 | 日本不耕起栽培普及会

2003年ころから藤崎芳秀さんの田んぼで冬期湛水が始まるが、その頃までの不耕起栽培では田植え直前までは水が入らなかった。固い土への田植えだったから丈夫な根、野生化するイネでゆっくりした成長が基本であった。6月に入ってからのサヤミドリの大発生も特徴的であった。水田に水が自由に入れられない水田で冬期湛水ができなかった為で、現在では半不耕起でドライブハローを使って表面を浅く耕すことにして、直後に田植えをする。それからは収穫直前まで水がはいる。

ところが冬期湛水で水田に秋から水が入るようになると、イトミミズ、ユスリカ、オタマジャクシ、アブの幼虫など土の表面を撫で回しトロトロ層が形成され結果として雑草は生えにくくなる。おまけに米糠を散布したり、乳酸菌、光合成細菌などをモミガラに吸着した肥料を施すことでイネの生育は以前とは異なりイネの初期分げつを可能とするようになった。アカウキクサの発生もシアノバクテリアという古代菌を葉の裏に寄生させ空中の窒素を取り込む。利根川水系とか琵琶湖水系などの周辺水田で不耕起栽培を3年続けるとこのアカウキクサが発生する。これら生物の働きは資源型農法といって彼らの活動をいつも注意して発生量を点検する必要がある。アメリカザリガニ、ジャンボタニシ、アカウキクサいづれも監視が必要である。


コウノトリ続報とブログを続けている本人の紹介

2014-03-17 21:02:26 | 日本不耕起栽培普及会

兵庫県立コウノトリの郷公園のホームページに掲載されています。撮影者加藤清一さん提供者飯田耕一さんひにちは2014年3月6日。コウノトリは足環で確認されJ0041長野県上田市に4ヶ月逗留していたそうです。水田は染井の鈴木理一さんが地主さんで口約束で鳥井報恩が借りている。日本不耕起栽培普及会会員で冬期湛水・不耕起で米を作る指導を岩澤信夫さんから技術を学び後継者の一人として2002年岩澤信夫さんの自然耕塾1期生、その後サポート役を務め、主に香取の篤農家藤崎芳秀さんの水田でこの技術を修得、現在にいたる。元々は千葉県の県立旭農業高校の教諭であった。農薬・除草剤を使わない農法を生徒たちに教え、生き物との共生を心がけて米づくりに焦点を当てて研究をしてきた。当時は草花園芸が担当であった。最近は微生物の世界にも領域をひろげている。染井の水田は5年前から休耕地を開墾し仲間に手助けしてもらいつくっている。水を溜めるためにいろいろ苦労している。岩澤信夫さんは1昨年の5月4日80歳でなくなられた。


多古・染井の水田にコウノトリが来る

2014-03-17 09:19:11 | 日本不耕起栽培普及会

昨日のホットなニュースです。現在確認中ですが、私たちが管理する冬期湛水・不耕起栽培の15a程度のエリアですが多古町の染井地区です。6年目に入る3セからはじめましたが昨年その面積を12a増やし、昨年は草だらけで地元の方々のひんしゅくをかいましたが秋からは湛水していました。時々乳酸菌や光合成細菌入りモミガラ堆肥を散布したりしていました。奥の1枚は小麦、大豆畑に組み替えを考えており奮闘しています。

話は昨日の夕方立ち寄ったら担当の佐瀬さんが作業をしていたら地域のかた3人の女性と1人の男性が現れこの水田にコウノトリが現れ足環で個体の確認をしているという野鳥の会のグループからの伝言だそうです。里の豊岡に確認中だそうですが、豊岡の人たちも千葉で冬期湛水が行われていることを聞いて感動していたそうです。現段階での撮影とか未確認であるが取り組んできた私たちの成果がこのような情報とつながってくるとは思いもよらないことなので大変うれしくおもっている。一部の水田側溝の土をあげていたら無数のドジョウが出てきたり、従来から溝にはカワニナやシジミが生息し周辺の山からは豊かな湧き水がでてくるし、基盤整備も行われない作業条件的にはきびしいわけですが鳥の世界から見れば亀だって出てくる、鶴は千年、亀は万年ですから遺伝子に記録された普通のことが繰り返されているだけかもしれない。荒尾さんに連絡しておきました。

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不耕起栽培の全容(3)

2014-03-13 07:07:25 | 日本不耕起栽培普及会

水田で秋湛水の前に米糠を散布、米糠が調達できない場合は光合成細菌で発酵させたモミガラ堆肥でもよいが散布することでイトミミズが活発に活動する、同時にユスリカやアブの幼虫も土の表面で活動しトロトロ層の形成に加わる。ユスリカやアブは成虫になると地上に飛来する。トンボのヤゴも同じで多古の水田ではオオアオイトトンボなどの希少のトンボも羽化する。2月から湛水することでカエルが産卵する。周辺の水田には水がないため冬期湛水の不耕起水田はカエルの格好の産卵場所となり、1水田で50個、100個が当たり前となる。そこで発生したオタマジャクシがまた土を嘗め回しトロトロを形成する。しかしこの3年ほどオタマジャクシに異変がおきている。原因が今の所はっきりしていないがその後のカエルに成長する障害があるらしく一部激減している。神崎の水田周りでもイナゴやバッタの発生が少なくなっている。ほんの2,3年の傾向であるが周辺で散布される農薬の影響かもしれない。数量的な観察が必要である。


不耕起栽培の全容について(2)

2014-03-11 09:46:53 | 日本不耕起栽培普及会

根穴構造からグロマリンの存在、そして水田での切りわら切り株が耕さず水中で少しずつ水中分解する過程が大切である。コンバインによる刈り取りが行われるようになって、今まで稲藁を回収し家畜の餌にしたり、水田内部で燃やしたりしていたが有機物として次年度のイネの肥料としての役割をはたすことになる。その点ではモミガラも同じでお米の貴重な資源として水田に返すことができれば最高である。和田の斉藤和さんの所に時々アドバイスに現れる吉田弘幸さんが提供するコーンスターチと活性剤(重曹)が微生物資材のえさとなり光合成細菌などが簡単に増量できる。この光合成細菌を使ってモミガラの堆肥化を可能にしモミガラを水田に返すことができる。ただ光合成細菌の活動は30度前後の温度が必要であるから秋のうちの温度が高い間に処理が必要である。その点普及会で扱っている水生バイオは低温でも分解が可能なので冬から春には水生バイオがすぐれている。このモミガラ堆肥を水田に散布することでワラの分解も進みアミミドロ、アオミドロなどの藻類が冬の水田で形成する。また温度が上がる6月にはサヤミドロが形成される。不耕起・湛水が継続されるとサヤミドロの形成は以前の不耕起栽培の方が多かったようです。

これら藻類が発生することは水田内部の溶存酸素量が確保されることで水がまず浄化され、米10キロで100トンの水がきれいになると岩澤信夫さんは印旛沼の浄化のために不耕起栽培を勧めている。水がきれいになればメダカ,ドジョウ、オタマジャクシが水田の中を泳ぎまわる。もちろん無農薬、無除草剤が前提であるが。