農を語る

自然にやさしい不耕起栽培

医食農の統一を考える(3回目)

2007-03-25 11:00:35 | 農を語る

東アジアモンスーン気候型は米文化を誕生させた

 学校で教える調理も日本人が身近に食べている魚貝類や海草を主にした食材は使わず、牛乳や動物の肉を素材にした中国料理や西洋料理が中心となる。

 テレビの民放を見ているとコマーシャルが飛び込んできて除菌だ、除臭だ、除虫だ、クリーンだと人間が生き物であることを忘れさせる。日本人の潔癖さを煽り立てる。

 昔ながらの木造建築であれば壁土があって、畳があって適度に湿気を吸収したり、窓を開けて外気を取り入れることで除菌や除臭も簡単にできる。窓を南北に広く取ることで冷暖房施設クーラーなど本来は必要ない。

 東アジアモンスーン気候型に位置する日本は古来から米を主食としてきたし、日本列島は海に囲まれ海産物が簡単に入手できる。

 ところが戦後の日本は学校給食からパン食とアメリカの余剰の牛乳と西洋料理で肉食に転換させられた。それも輸入穀物である。

 医食農住がバラバラにさせられ,細切れに教えられたことを統一的に見られるようになったのは農業高校の教師になって有機的農法にかかわって自然を眺めるようになってからで農薬・除草剤を使わない畑や水田を対象に生き物の調査を行って15年過ぎた頃からである。ツルグレン装置を使い土の中に生息するいきものの比較を行ってきた。ロータリーなどによる機械化農業も生き物とはあいいれない関係にある。そこでは不耕起栽培こそが生き物との共生を可能にしている。


藤崎水田の苗ー水田出し3月22日

2007-03-25 10:46:15 | 日本不耕起栽培普及会

07322fujisakinaedashi 藤崎水田でのハウスから水田に苗をだす作業の風景、イネの種まきは2月22日、苗は2.5葉前後、トラックで出すときはこのように10枚、15枚重ねてイネにストレスを与えても大丈夫です。

Saginoashiato07319 八間川の補修で水を止められたので水田は干されてしまった。この写真は藤崎水田を訪れる鳥たちの軌跡である、2種類あるがさてなんでしょう。


医食農の統一を考える(2回目)

2007-03-11 10:18:05 | 農を語る

胃や大腸は胃カメラで覗けば食習慣のよしあしまで分かる医学分野での研究も人間の体全体を診ることができない医師が多い。胃腸の専門医は胃腸しかみない。眼科の医師は目しか診ない。臓器別医学はとても大切なものを見落としている。中国医学の針灸医の分野は保険診療から長く除外されてきた。このように部分医学に対して最近手にした本で養老孟司のバカの壁と米国アルバート・アインシュタイン医科大学外科教授新谷弘実で「胃腸は語る」である。養老さんは死体を扱っていたが新谷さんは内視鏡、フアイバースコープを使って日本とアメリカの30万例の検査、8万例の手術を通して健康法を書いている。

 生き物として人間をとらえる時、玄米食が必要であるし、玄米はもちろん無農薬・無除草剤が必要である。水も塩素を含まない浄水した水がほしいし小麦粉、砂糖、塩もミネラルを含む精白してないものがよい。せっかく不耕起栽培で米を作るのだからミネラルを含む調理法も考えて食べて欲しい。文献を紹介しておくので後で是非読んでほしい。


神崎神宿の日アカのオタマジャクシ

2007-03-11 10:07:53 | 日本不耕起栽培普及会

07310otama

神宿の水田は神崎の山間の谷津田であるから日本アカガエルは順調に育ちオタマジャクシになっている。ところがひらばの香取の藤崎水田ではコサギの餌になり半分以上が食われてしまった。これまで発見できなかったのは産卵後すぐに卵塊をコサギやアマサギが餌にしていた可能性がある。生き物の世界は厳しいものである。この写真は2007年3月10日撮影のものである。


医食農の統一を考える(1回目)

2007-03-08 20:52:41 | 農を語る

 大学教育は伝統を否定するところから始まった。

 若いころから園芸学部に所属し栽培に係わってきたが、大学で学んだ農学は何故かアメリカの文献を訳して紹介することが中心で自国の伝統的な技術とかは研究する人はいなかった。イネは作物で、作物の研究室は熱帯園芸の研究でイネそのものの研究は時代遅れの分野として研究する人はいなかった。水についても単にHー2ーOで分子の小さな生体に吸収しやすい水の存在など教えてくれなかった。そして日本中の水道水は戦後すべて塩素で消毒することが義務づけられ、信州大学の中本信忠が教える明治時代からイギリスから伝えられた緩速濾過方式(高崎市剣崎浄水場は現在も稼働している)によるメロシラという藻類や小動物を生かした安全でおいしくて、施設費のかからない方式は捨てられてしまった。大学での研究は新しく、金を掛けた研究でないと評価されないで、研究費は廻ってこない。住宅の研究も日本の気候にマッチした木造建築の研究は否定されてきた。

 学校の校舎や研究室の建造物はコンクリートでできており入梅の時期になると廊下は水浸しになる。