農を語る

自然にやさしい不耕起栽培

田舎のパン屋が見つけた「腐る経済」を読んで

2013-12-19 16:05:13 | 日本不耕起栽培普及会

麹菌からパンを作る。神崎の寺田本家の酒蔵を見学したとき伝統的な建物の中に自生する麹菌をお米に取り込む話を聞いた。この方式を採用する酒屋はほとんどいない、希少数な話である。今回「腐る経済」を読んで寺田さんを改めておもいだした。本の作者が千葉のいすみ市から岡山市勝山に移住し天然の酒種パンを販売している。私はブドウからパン種を取り出し楽健法でパンを焼いているので菌の扱いに興味があった。

岩澤信夫さんが有機農法で扱われる畜糞は抗生物質が大量に使われるので水田には使用しないほうがいいという話であったが「腐る経済」のなかでお米から麹菌を取り出すときに有機米では成功しなかったという(129ページ)「自然栽培米」こそが生命力のある米として天然菌が作物の生命力の強さを見極めているとしている。私たちの冬期湛水不耕起き栽培米こそ天然菌との共存が可能だと感じた。それぞれの地域の条件で収量に差があるが無理のない範囲での生きものとのおりあいをつけたい。渡邉さんは伝統のある地域の匠な人々との助け合いで地方が活気付いていく紹介としていい本をかいてくれた。たのしかった。