農を語る

自然にやさしい不耕起栽培

新潟・戸邊家族農園訪問記その1

2009-06-30 15:38:59 | インポート

戸邊家族農園訪問記

942-1341 新潟県十日町市松之山黒倉1207番地

TEL,FAX 025-596-3338/080-5382-7516

・・・ 戸邊さんのこと ・・・

水苗代で苗を育て、手植え、雑草取り、早朝1~2時間家族での作業、むかし行っていたことを、しゅくしゅくと行う。田植え、草取りは人海戦術であるから多い方が良い。農薬を使わず、除草剤も使わず、自然にやさしい農法、ここでの気候にあった米は最高となる。種子はどうしているか聞きたい所である。

長野・園原さんの場合、コシヒカリであってコシヒカリだろうかと疑問にいだくほど粒が大きく丈夫なイネとなる。登熟期間が千葉と比べ長く、また登熟期の秋になって病害虫が入りにくい時期となっている。種子生産にも良好な条件となる十日町の戸邊さんのあたりも同じように好条件だとすれば自家採取で良い種子となるだろう。

千葉での適品種として早い方が良いのか、遅い方が良いのか品種選択が問題である。

・・・ 今回の行程 ・・・

今井孝さんは埼玉の上原奈都美さんの運転で613日朝、岩槻駅9:00出発、高速で六日町インターで下車午後1:00前、十日町の戸邊さん宅に着いたのは午後2:00頃、さっそく田植え用のイネの苗取りを行う。

そして夕方6:15分頃報恩が合流、翌614日の霧雨の中、戸邊さん家族と石黒研修生と大学時代の同期の渡辺氏早朝6時半から田植え直後のコナギ除草及び水田の案内、全部で1ha30枚あるという棚田状の水田を見て歩き、9時半頃から今年借りたという水田の田植えを全員で取り組み11時頃まで実施、私たち3人は早めに切り上げ、この時に使った苗は近所の人が栽培したポット苗を使用していた(一年目で販売しない収穫米であることと苗の不足の心配があり無農薬栽培の人の余った苗を使用)。田植えも残す所、苗床のある水田と今年少雨で水が入らない水田が残っているそうです。

14日は午後1時戸邊さん宅を離れ無事3人で高速を使い帰路につく、午後7時には神崎の斉藤さん宅に着き戸邊さんの訪問の旅は終了、上原さん運転ありがとう。

短時間の体験取材であったが戸邊さんの濃縮された案内で戸邊農法の概略は知ることができた。

無肥料・・・無肥料での苗作り、田植え時は6~6.5葉であるが他から何も入れず米ヌカも白米にした部分だけで10a当たり30kg程度を水田に秋、施す。慣行では肥料を入れたり農薬をかけたりするが、その米は固くなるが戸邊米の米はやさしい、軟らかい米になるという。玄米おかゆは白くやわらかく感じた。

教育・・・武田さん1才の子どもをつれていたが戸邊さんの子ども2人とすぐに子ども同志で卓球の球とか折り紙を使った遊びを通して仲良く遊んでいた。一方で戸邊さんの子ども同志のケンカはOKだが、作業している人々に迷惑をかけていることに対して怒る。母親は甘いというか、私の厳しさに少し反発して守ったように見えたと思うが、その割りに一般の母親と同じく小言が多く躾ができないで困っている。中学が終われば社会人として自立させたいという戸邊さんとしての思いが子どもたちにこめられていることを感じた。それは無肥料・無農薬のイネが自立して育つことに確信を持っている姿でもある。

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福島訪問記その3

2009-06-11 21:57:56 | 日本不耕起栽培普及会

菅原宏一 

福島市町庭坂字
富山2-41 TEL.024-591-5634

鳥井の高校の教員時代の友人、全国農業教育研究会(全農研)の会員で、千葉・成田在住時代、通称なりる会に所属していた。夫婦共にアウトドア派で奥さんは子どもと自然学会の会員で山菜取り、キノコ狩りが趣味、菅原さんは成田西陵高校の農業土木科の教師を勤め、食と農の統一をはかり近くの保育園児を集め、生徒と一緒に芋掘り体験などの交流活動を行ってきた。岩澤信夫さんの講演で佐原に100名近くを集めた、2003年全農研夏の大会の現地実行委員を努めた。

退職を期に奥さんの実家に近い福島県に移住し田舎暮らしを始める。

今回宿泊先として利用させていただき、中村和夫さん宅への道案内をお願いした。

中村和夫さんの所の古民家には深く感激し、グリーンツーリズムの貴重な資源になると話題を提供してくれた。

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福島訪問記その2

2009-06-09 21:00:34 | 日本不耕起栽培普及会

福島訪問記

2009.6.1 鳥井、今井、澤村訪問

郡山市逢瀬町多田野本郷102

中村和夫、喜代夫妻そして息子の直己さん

豆腐のオカラを業者から定期的に回収、米ヌカペレットを作る、フォークリフト、乾燥機などを使いグループの共同作業で行っている。

コナギのチェーン除草に期待をかけ、田植え後の2週間に近所の人を頼んで心がけている。

これまで除草機を使ってきたが、手押し、乗用と試してきたが冬期湛水してトロトロ層が多くなると稲をつぶしてしまい欠株を増やしていた。今回のチェーン除草で大半のコナギを浮き上がらせれば大変助かる。

おうちゃく農業ということでエネルギーを使わないでお米を作ることをすすめてきて、息子さん夫婦にも岩澤信夫の自然耕塾に昨年かよってもらい、昨年から息子担当の水田と区別してやらしている。スズメノテッポウなどの除草を手取りしたが、まわりの慣行をやっている人は水田には入らないから土日は回りの目があるから平日を除草の日にあてている。有機にこだわった農法を含め10人はいたが、雑草との対処がたいへんで他は一人やめ二人やめで普通の人に戻っている。

紙マルチも紙代がかかるし自然にやさしくないということで、行政の補助(17,00018,000)で続けているテイエン地区があるが国の基準でJASに対し認証がはずされる可能性があるので紙マルチの将来性も疑問である。

普及会として漢方18番を使い米の味が向上するということだが、45万円はかかるので経費上負担がかかりすぎる。中村さんの家は伝統の残る古民家を改造したものであるが、夏は涼しく都会からのグリーンツーリズムとしての接客には適している。「冬は寒くて都会の人には向かないと思う。」との中村さんの言に、北欧の厳冬期のアイスホテルが1泊3万円でも人気上々というご時勢だから売り込み方次第で価値が見直されるはずとの声も出た。

白鳥の訪れる水田、鳥インフルエンザ以来逆風ふいて餌づけの人が減り最盛期の300羽以上が今では半分程度であるが、白鳥は大きくダイナミックであるから人を引きつける効果はある。

米作りの面からは、水田が部分的に深くなり毎年土の移動が必要になる事態で、白鳥米であって不耕起米とはちょっと異なっているようでもあるが不耕起用の苗で慣行栽培との違いがある。

息子さんの悩みは香取の藤崎さんの水田と比較し、温度が低く稲ワラ腐熟が悪く田植え後も前年度のものが残り、水中分解でガスが発生し、そのガスで植えたばかりの苗に支障を受けているようである。部分的に風で集まった場所で被害が出ていることである。

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宮城訪問記その1蒔原健蔵さん

2009-06-06 14:36:00 | 日本不耕起栽培普及会

蒔原健蔵 2005年オリザ修了

福島県田村市都路町岩井沢

1年目、10aの水田(10年以上放棄された田を復田)のうち4a程度作付け

藤崎さんの苗(コシヒカリ)を送ってもらい植付ける。高蛋白米(約9%)となってしまった。

2年目はミネラル40kg、オカラ3袋、米の精3袋、稲ワラ等入れたが、やはり高蛋白米(10%)となってしまった。イネミズゾウムシの発生が爆発的(9000匹捕殺)で葉色はいつまでもさめなかったが分蘖がとれず、作柄が半分だった。

今年3年目、田植え直後イネミズゾウムシが多発したのでテンプラ油を水田周辺に散布したがゲンゴロウとかの水生昆虫も死んだり、イネも一部枯れたりした。

(藤崎さんの話では、健全な苗を作ればイネミズゾウムシの被害は回避できる、そのため植付け本数を多少増やしたりしている。鳥井の感想としてはザリガニやカモの活動と同じように、イネが活着できる2週間程度は水を浅水にしてイネが元気になったのを確認して深水(810cm)に維持したらどうでしょうか)

健康な苗を作り、水位を適度に調整し、イネの活着を見て水を多くするということ、また、作業のしやすさでは畦を取り払って水田を大きくする方向にすすんでいるが、それぞれの地域の風の強さも考慮して水田の規模を決めていく必要がありそうです。

蒔原さんの所は標高550mの高原地帯で冷涼で夏でも30℃をこえる日は12日しかない。やませの影響を受け、コシヒカリには適さない地域とされている。ヒトメボレ、アキタコマチが適品種で、マイヒメという耐冷品種を今でも作っているお年寄りもいる。

コシヒカリは無理だと言う事だったが大丈夫で1年目に10a換算で6俵収穫できた。

昔は最低気温が-15℃まで下がったが最近は-8℃程度で温暖化が関与しているようだ。

ミネラルは日産化工のハイミネコン、米の精は福島にある無洗米メーカーの東洋精米機製作所から購入している。

蒔原さんの苗はマンション住まいをやっている当時の衣装箱利用と庭先のプール育苗を比較しながら実験的に行っている。1箱当り50g播きで分げつのある立派な苗の標本を見せてもらった。プール出し前の追肥は窒素換算で2g(硫安及び「みんなゆうき」)程度の施用を行ったが「みんなゆうき」は臭くておすすめできないと感じた。

種まきは320日、518日田植え、田植え時66.5葉でした。

蒔原さんの近所の方(移住者)が自然農の川口由一さんの方式で野菜を栽培されていた。夫婦で取り組み旦那さんが刈り払い専門、奥さんが苗作りと植付けに取り組んでおられた。トマトは雨よけのアングルで頭だけビニールでかこってあった。麦もビール麦と小麦が数列作ってあった。レタスやホウレンソウなども移植栽培でほど良く管理されていた。また沢の水を利用しての畑ワサビやジャムを作るためのルバーブ、ズッキーニなどは適している。オクラとかモロヘイヤは寒さで苗の育ちが悪かったようです。フキとかコゴミ、ワラビなど豊かな山菜にとりかこまれた環境でもあった。

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