五色塾 小川誠さんに聞く 2009年3月20日訪問 宮脇正さんも同席
発芽はフロ桶を使い湯気を使い20~25℃であるが、控えめ、早めにあげる。覆土にクンタンを入れれば、発芽は3日で始まる。積み重ねて軽トラックで水田に並べる。水田の土と箱底が密着することが大切で密着すれば一体化し水分が箱に上がってくる。結果として灌水の必要がない。田面をトロトロにして箱と密着させる。苗代の底を3センチ高くして畝を作る、出口を箱底に合わせ3~5センチ高くする。4年この方式で試みたが失敗したことがない。
苗作りの期間を50日として、4月1日播種5月20日田植えで、水田別に日にちをずらして10日毎3回播種する。3回目は安全のために行っている。
水田に直接はじめから出すので穴の開いたビニールで保温するいわゆるビニールトンネルにするが端が寒く、真ん中が高くなる。温度のバラツキがある。鳥よけの膨張ネット、寒冷紗でも良い。白で2重だとさらに保温性が高くなる。1枚で遮光率が20%、2枚にすると40%になる。保温性は高くなる。
4月1日から結構寒いから前半は外に置くことで苗に刺激を与えることになる。このことは岩澤信夫さんがいうエチレン効果になる。芽が出ればイネ自体が我慢して育つことになる。4月20日までは寒暖差があり、その寒さがイネには必要である。岩澤信夫さんの技術はハウスで2.5葉まで育てるのを基準にしているが、やってみるとハウスの苗はどうしても徒長してしまう。ハウスの施設がない農家ではそれなりの工夫が必要になる。岩澤さんの「2.5葉までは畑状態で育てる」そして水田に出す作業が効率よくできるか考えて、この技術に挑戦した。慣行栽培より10日長めの育苗をして、その間に寒さに合わせる。イネは発芽してしまえばけっこう強いし、自然に出すことで苗が強く丈夫に育つ。苗代だと機械植えが出来ないので箱は必要である。箱の底には根が出るが、それを切って植えるようにしている。種まき時期と寒さの見極めは、長期予報とか自然界のコブシ、モクレン、サクラの開花時期などで慎重に対応している。今年はいくらか早めに推移している。ビニールハウスは温度が上がりやすいのが難点である。