農を語る

自然にやさしい不耕起栽培

五色塾小川誠さん訪問記

2009-03-29 21:13:32 | 日本不耕起栽培普及会

五色塾 小川誠さんに聞く 2009320日訪問 宮脇正さんも同席

発芽はフロ桶を使い湯気を使い2025℃であるが、控えめ、早めにあげる。覆土にクンタンを入れれば、発芽は3日で始まる。積み重ねて軽トラックで水田に並べる。水田の土と箱底が密着することが大切で密着すれば一体化し水分が箱に上がってくる。結果として灌水の必要がない。田面をトロトロにして箱と密着させる。苗代の底を3センチ高くして畝を作る、出口を箱底に合わせ35センチ高くする。4年この方式で試みたが失敗したことがない。

 苗作りの期間を50日として、41日播種520日田植えで、水田別に日にちをずらして10日毎3回播種する。3回目は安全のために行っている。

 水田に直接はじめから出すので穴の開いたビニールで保温するいわゆるビニールトンネルにするが端が寒く、真ん中が高くなる。温度のバラツキがある。鳥よけの膨張ネット、寒冷紗でも良い。白で2重だとさらに保温性が高くなる。1枚で遮光率が20%、2枚にすると40%になる。保温性は高くなる。

 41日から結構寒いから前半は外に置くことで苗に刺激を与えることになる。このことは岩澤信夫さんがいうエチレン効果になる。芽が出ればイネ自体が我慢して育つことになる。420日までは寒暖差があり、その寒さがイネには必要である。岩澤信夫さんの技術はハウスで2.5葉まで育てるのを基準にしているが、やってみるとハウスの苗はどうしても徒長してしまう。ハウスの施設がない農家ではそれなりの工夫が必要になる。岩澤さんの「2.5葉までは畑状態で育てる」そして水田に出す作業が効率よくできるか考えて、この技術に挑戦した。慣行栽培より10日長めの育苗をして、その間に寒さに合わせる。イネは発芽してしまえばけっこう強いし、自然に出すことで苗が強く丈夫に育つ。苗代だと機械植えが出来ないので箱は必要である。箱の底には根が出るが、それを切って植えるようにしている。種まき時期と寒さの見極めは、長期予報とか自然界のコブシ、モクレン、サクラの開花時期などで慎重に対応している。今年はいくらか早めに推移している。ビニールハウスは温度が上がりやすいのが難点である。Dscf2590 P3200362r


相模原五色塾小川誠さん訪問記(その2)

2009-03-28 20:05:51 | 日本不耕起栽培普及会

小川誠さんはドイツ7年、マレーシア4年、外から見た日本と言う事で食糧危機の意識は外から見ることで、より現実的なとらえ方をしている。

5年間で2haほど確保できている。岩澤さんからは小地主、大小作を目指せと言う事である。

新戸地区は5年目で、刈り払いを使って草を取り水を入れし手植えで棒を使って田植えを行う。歩行用ネギシ式の田植えをやってみたが植えた後押さえが効かず失敗だった。

[育苗の仕方]

小川誠さんは苗箱を直接水田に出して播種の段階から管理する。

イネの生育は従来の不耕起苗より根の生育が良い、水田の管理上一人でやっているのでハウスで管理するよりも楽だし、慣行よりも二週間ほど早めに種をまくことで寒さにもあい岩澤さんの考えにも合っている。Dscf2596 Dscf2578 下の写真右は小川誠さんの自宅前で撮影、今井、澤村、鳥井、小川誠さんです。


相模原・五色塾小川誠さん訪問記【其の一)

2009-03-27 20:19:39 | 日本不耕起栽培普及会

P3200344r P3200358r 小川誠さん「五色塾」の視察

地主さんにかけ合って水田を借りるために日夜奔走している。

80歳を過ぎた人でも湛水化を目標とするため様々な嫌がらせもあり水田の水を切られたことも日常的である。その結果、草も生えなかったり、大きな稲が育ち粒ぞろいが良く、塩水選1.1580%以上だったりする。品種はキヌヒカリ。つやもあり粘りのある美味なお米だった。

10年、20年、食糧危機を予測して一家族50万円15家族750万円が既に出資してくれている。自己資金1500万円、田植機も不耕起用を準備している。小川さんに対しては給料を25万円が支給されている。米、小麦、大豆の自給と次の5年間は備蓄を目標としている。

普及会の会員同士の活動として嫁をとつがせる横のネットワークを作りたい。

技術の交流でも滋賀の柴田さんは直播栽培で9ha秋の代かき一回後湛水化して雑草はその後の湛水化(冬水田んぼ)で抑えているという技術で現場を視察してきた。

若者の就農研修の場として6haの土地を100人分の米を首都圏に供給することを目指し、米を買い取る方式で指導を始めている。

小川誠さんは当初不登校の子ども達の面倒を見ることを含め家族の連携を含めている。

相模原周辺の風景は湧水が豊かで、ゲンジボタルも飛来し自然豊かなところである。

ただ小川さんの世代は水田は農業用水の負担金もとられるし、草刈りは義務づけられるし、欠席すれば5000円負担しなければならず、喜んで水田を管理したい人はいない。

しだいに70歳、80歳と追い込まれて時間切れに近い。

土は黒ぼく土の粘土分を含む土で米の味は美味である。

「サトジマン」三年前より神奈川県の奨励品種でコシヒカリの系統、キヌヒカリが雑米で岩澤さんは間違って生き延びた品種だと言っていたが、これも味はかなり良好である。

塩田地区、望地地区(河川敷)、新戸地区と農地も分散しており地主は高齢化し、話がわからない人もいるが思いのほかすんなりいく場合もある。


小金井野川調整池での不耕起湛水田訪問記

2009-03-26 20:06:15 | 日本不耕起栽培普及会

小金井「野川自然の会」永森靖夫さん、小金井市環境市民会議「田んぼの時間」瀧本広子さん二人で案内してくれる。

40坪の水田に会員50名、野川の調整池に一部水田を作って三年目、50人もいると不耕起・冬期湛水田にたどり着くまで様々な考えの人がいて永森さんの苦労話は圧巻きだった。

一年目は化学肥料で作ったら63kgとれたが、二年目は有機に切り替えたら23kgしかとれなかった。今年は大豆クズを福島の田代さんから譲ってもらい準備している。

カルガモが二、三羽必ずいて生活している。シラサギも来ている。セキレイもいた。

カエルはヒキガエル、ウシガエル、トウキョウダルマガエルが確認されている。

去年のイトミミズの調査では130㎡当たり19万匹から66万匹に増加が確認された。

野川からの調整池と言う事だが、川から水をあげることが出来にくい。野川の水を堰き止めてやっと水を取り込むことが出来る。また、野川の川べりもコンクリート張りであったが自然再生を試みることもありコンクリートもはがす作業をやっている。P3200370r P3200337r