農を語る

自然にやさしい不耕起栽培

滋賀・福井訪問記(3)

2008-06-29 14:04:42 | 日本不耕起栽培普及会

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 福井県若狭 保志公平さん訪問記 2008年6月16日

 大阪から福井県に移住して、岩澤さんの自然耕塾を修了して、不耕起栽培に徐々に転換している。今年は1、2年目の2haと半不耕起2ha、種採り用のコシヒカリ2ha、その他休耕している2ha分がある。いずれ不耕起栽培を中心に経営をしていきたい。

 この5、6年前から若狭に若い人を中心に12、13名の家族が転入しユニークな町としてマスコミにも取り上げられている。今住んでいるところは向かいの大工さんの所有で4万円で借りている。2歳の子どもをかかえ保育園への送り迎えを彼が受け持っている。 彼の自慢は息子を自分でとりあげたこと。地域の助産師さんをたよりに普通の人が体験できないことを体験した。テレビでも放映され話題の人になっている。奥さんとも大阪出身で、若い頃はバイクのレーサーとして好きなことに青春を燃やした。その後1年間カナダへ渡りオオカミの群れに接し感動した。現地の人の間でもオオカミにはなかなかでくわさないそうだ。自然を愛し、山を好み大阪の都会から、この地を選び移住先にこの地を選んだ。車で案内してもらうと左には日本海の海岸が一望でき、右には5つの湖がかすんで見えた。夕方の風景であった。

 新車では一台も買えないが軽トラックから乗用車まで回りまわって譲ってもらった車で済ます。地域の人とのつながりを大事にし、自分で生産した米の販路も大阪とかに知人をつてに広がりをみせている。保育園や助産師の方々のあいだでも美味しい米として評価を受けている。田植えの時にも体験田として今年35人もの応援を受けイベントとして楽しく実施できた。無農薬の不耕起水田にはイモリが顔を出し、秋に水をはたいて生き延びるか心配されたメダカが気がついてみると稚魚で一杯になっていた。保志さん自身感動の一瞬であった。


異常気象とイネの生育

2008-06-29 13:51:47 | 日本不耕起栽培普及会

08628yuukigerumanohikaku TBS森田さんの気象予報士の話によると今年の夏は猛暑だがこれまですでに異常続きで「13年ぶりの日照不足」「13年ぶりの4,5月の降水量」(関東地方)。今日も5月中旬の温度、そして記録破りの雨になりそうである。お天気男の岩澤さんも今年に限っては土日雨が多かった。2,3日高温が続き、その直後にまた北東のヤナセで寒空が戻ってくる。北海道より寒い日がつづいたりする。写真は昨日神崎で実験区のイネを10日毎サンプルをとって保存しているものの一部であるが昨年との比較で5から10センチ同時期よりも草丈は低く、茎数も形成が遅れている。これは慣行の栽培でも日照不足の影響を受けている。


滋賀・福井訪問記(2)

2008-06-25 16:55:55 | 日本不耕起栽培普及会

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 育苗は水苗代で50a水田の東側の隅で150センチ幅の区画を固定して抜き板で区切り白と黒のマルチ0.5ミリの厚さのフイルムを下に敷く、ローラーをかけやすくするために抜き板には多少の傾斜をつける。灌水は用水を使い、簡単に下から補給できるようにしている。上はビニールトンネルで覆い、ワイヤーでビニールを固定するが、下の土が固いので一工夫してある。鉄管を使い軽い力でワイヤーが打ち込める工夫である。

 クログワイを大量に除草するが、この雑草を集めて野菜作りに応用できないかと、クログワイを集めてそこにトマトやキューリを植えて出来ばえを検討している。トマトの葉色は濃くなり、木は大きく太く育つ、奥さんが育てる買い置きの園芸用土よりもゆっくりだがちゃんと育つ。岩澤さんが雑草を集めて酵素発酵を勧めるが、これまで畑雑草だけでは酵素発酵はしにくいが、安井方式だとトロトロ層の粘性のある土が入るせいか畑雑草と水田雑草を混ぜることで案外うまく発酵していくような気がする。

 キューリは誘引が大切で上に伸びて沢山の実をつける。植えつける方向は岩澤さんは西日が当たるように西に向いて伸びるように配置してやると自然に野菜たちはそちらの方向に伸びるようになる。西はじに植えて東に向けて伸びるように仕向けてもこれはだめである。

 安井さんは元々は先を見通せる有能な大工さんで作業場にゆとりを持たせ、将来必要とする資材を保管できるスペースをもたせ、博物館のように道具類、古い木材、農機具類など何でも保存し再利用の道を常に考えている。今では米作りをリタイヤーする人が多いのでコンバインや田植え機など殆ど新品同然のものが処理費用付きで回って来る。農業の事情は大変なものである。バーベキュー用に使えるアルミの鉄板など資材高騰の折り、宝もので一杯である。

 雑草のなかでコナギは土をかき回しただけで浮き上がってくるので問題がない。ヒエの場合は深水にすれば生えてこない。

 田植えのコツは4日前から水を落とし、田植え当日は水切り状態にして田植えをして、1、2日根が落ちつくまで水はない状態がよい。(多古の場合田植えの時水が多くそれがその後の生育にも影響している。このことを忘れてはいけない。)


藤崎さんのイネは育ちがよい

2008-06-25 16:47:13 | 日本不耕起栽培普及会

08624fujisakiorizanae 藤崎オリザ水田の6月24日のイネの姿です。従来不耕起栽培のイネの生長は後期分げつ型といってゆっくり生長するのが常識であったが堪水をはじめて7年目のせいかイトミミズも950万匹を超えトロトロ層が増え米ぬか50㌔、ミネラル60㌔で初期生育が確保されている。利根川水系の栄養を含んだ用水ということも関係しているでしょう。2月に近くの川が改修工事が入って2週間ほど水が切れたせいか例年になくセリ、マツバイ、ホタルイ、コナギの除草に時間をとられている。


農を語るの再開

2008-06-23 09:40:18 | インポート

0867orizajyosou 農作業が暇になったら再開と考えている間に半年が過ぎ去ってしまった。岩澤信夫さんが主宰する塾の時パソコンを持参で私のブログを開いて参考にしている仲間がいるので何とか再開の時期を待っていた。不耕起栽培の技術の確かさを、同じ岩澤信夫さんから学んで彼が指導する技術を忠実に実践している現代の技術の伝承者を訪れ紹介することも私の仕事(ボランテア)と思い今回とりあえず滋賀と福井の仲間を紹介します。今回の写真は香取の藤崎水田で10日毎除草をしたり神崎の実験圃場で観察・サンプリングを行うオリザの仲間の写真です。子育て中の家族の協力もあります。それでは数回に渡って報告します。