農を語る

自然にやさしい不耕起栽培

不耕起栽培農家の視察記録1

2007-01-07 19:47:21 | 日本不耕起栽培普及会

不耕起栽培農家の視察記録1 2006年11月5日(日)

 長野県高山村 園原久仁彦さん「ほたるの居る田んぼを創る会」

 湛水田の漏水を防ぐのに妙義山のベントナイト(25キロ700円)を肩面の畦際に散布することでベントナイトが水を吸って固まり漏水を抑える。その後黒ビニールで畦をかこう。

 岩澤式の大豆でも実験を繰り返し地域の特産作りを進めている。夏至の6月21日以降に短日に向かってから種まきをしないと実が入らないことが分かった。慣行では90~100粒が岩澤式だと160粒採れる。窒素をもっと沢山施した人はもっと採れている。彼は有機肥料にこだわっていたのでこの程度であった。

 今年の米は昨年10a当たり15俵だったのに、6月一杯で分けつが止まり7月は日照不足、長雨の影響で寒くて平均9俵であった。1株20本普通未熟米がでるが、出なかった。苗の状態は稚苗の6倍の生育で、農家の人はこれを見て自信がついた。千葉の神崎で育成して長野に運んだ苗は当初寒さで葉が枯れたが、4、5葉はその後正常に分化しエチレン効果でしっかりとした苗に成長した。

 問題といえば雑草で、ヒエは深水で発生が抑えられたが、コナギがやはり増加傾向にある。稲の成長と時期を同じに成長していくのでコナギが繁茂すると稲は競合して収量は半分になる。これには手取りが必要で障害者の施設と連携して2回ほど水田に入ってもらう計画をしている。食事付きで5、6000円で考えている。しかしあまりきれいにしすぎると稲の生育に悪い気がする。

 もう一つはイノシシの被害で1枚全滅した。畦の周辺にいるイトミミズやユスリカを狙ってか畦を食い散らかす。稲の穂が実りはじめた頃穂も食べる。

 EM米ヌカペレット(15キロ1200円)を30~50キロ追肥で施している。分けつ肥は田植え前にEMスーパーセラミックス10キロ、2年目からは5キロにしている。これには光合成細菌を含み波動をよくしている。

 高山村の隣は観光地の小布施であるが、料理屋の立派な庭園を案内してくれる。そこにはEM菌を使って池を作り水が浄化されていてメダカやカワニナで一杯で夏にはゲンジボタルが乱舞するそうだ。そこを管理する造園家とEM菌の交流をしている。

 彼は生活の元は飯綱高原で会計士が仕事だったが、岩澤さんの米づくりに共鳴し、わざわざアパートを借りて高山村で農家に働きかけて、EMの名古屋の支部から米やグループに米を10キロ5000円で契約販売をとりつけ、農家から買い取っている。農協の倍値で約束したので農家の協力者が増えて、岩澤さんの香取まで仲間を引き連れて学習にでかける。ほたるの里を蘇えさせる活動、メダカの泳ぐ水田は都市に住む人々にも共感を呼んでいる。


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