農を語る

自然にやさしい不耕起栽培

宮城訪問記その1蒔原健蔵さん

2009-06-06 14:36:00 | 日本不耕起栽培普及会

蒔原健蔵 2005年オリザ修了

福島県田村市都路町岩井沢

1年目、10aの水田(10年以上放棄された田を復田)のうち4a程度作付け

藤崎さんの苗(コシヒカリ)を送ってもらい植付ける。高蛋白米(約9%)となってしまった。

2年目はミネラル40kg、オカラ3袋、米の精3袋、稲ワラ等入れたが、やはり高蛋白米(10%)となってしまった。イネミズゾウムシの発生が爆発的(9000匹捕殺)で葉色はいつまでもさめなかったが分蘖がとれず、作柄が半分だった。

今年3年目、田植え直後イネミズゾウムシが多発したのでテンプラ油を水田周辺に散布したがゲンゴロウとかの水生昆虫も死んだり、イネも一部枯れたりした。

(藤崎さんの話では、健全な苗を作ればイネミズゾウムシの被害は回避できる、そのため植付け本数を多少増やしたりしている。鳥井の感想としてはザリガニやカモの活動と同じように、イネが活着できる2週間程度は水を浅水にしてイネが元気になったのを確認して深水(810cm)に維持したらどうでしょうか)

健康な苗を作り、水位を適度に調整し、イネの活着を見て水を多くするということ、また、作業のしやすさでは畦を取り払って水田を大きくする方向にすすんでいるが、それぞれの地域の風の強さも考慮して水田の規模を決めていく必要がありそうです。

蒔原さんの所は標高550mの高原地帯で冷涼で夏でも30℃をこえる日は12日しかない。やませの影響を受け、コシヒカリには適さない地域とされている。ヒトメボレ、アキタコマチが適品種で、マイヒメという耐冷品種を今でも作っているお年寄りもいる。

コシヒカリは無理だと言う事だったが大丈夫で1年目に10a換算で6俵収穫できた。

昔は最低気温が-15℃まで下がったが最近は-8℃程度で温暖化が関与しているようだ。

ミネラルは日産化工のハイミネコン、米の精は福島にある無洗米メーカーの東洋精米機製作所から購入している。

蒔原さんの苗はマンション住まいをやっている当時の衣装箱利用と庭先のプール育苗を比較しながら実験的に行っている。1箱当り50g播きで分げつのある立派な苗の標本を見せてもらった。プール出し前の追肥は窒素換算で2g(硫安及び「みんなゆうき」)程度の施用を行ったが「みんなゆうき」は臭くておすすめできないと感じた。

種まきは320日、518日田植え、田植え時66.5葉でした。

蒔原さんの近所の方(移住者)が自然農の川口由一さんの方式で野菜を栽培されていた。夫婦で取り組み旦那さんが刈り払い専門、奥さんが苗作りと植付けに取り組んでおられた。トマトは雨よけのアングルで頭だけビニールでかこってあった。麦もビール麦と小麦が数列作ってあった。レタスやホウレンソウなども移植栽培でほど良く管理されていた。また沢の水を利用しての畑ワサビやジャムを作るためのルバーブ、ズッキーニなどは適している。オクラとかモロヘイヤは寒さで苗の育ちが悪かったようです。フキとかコゴミ、ワラビなど豊かな山菜にとりかこまれた環境でもあった。

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