29Lib 分館

図書館・情報学関連の雑記、読書ノート、音楽ノート、日常生活の愚痴など。

いつもと異なる演奏スタイルを試みた実験作だが、いつもの方がよい

2015-11-04 09:57:55 | 音盤ノート
Ben Monder "Amorphae" ECM, 2015.

  ジャズ。ギターとドラムのデュオ演奏が中心で、曲によってはシンセサイザーが入ってきてトリオになったり、ギターのソロとなったりする。ドラムもアンドリュー・シリル(2013年12月録音)とポール・モチアン(2010年10月録音)と入れ替る。ECM作品だが、プロデューサーはアイヒャーではなくSun Chung。指揮者のチョン・ミョンフンの息子らしい。

  いつもの高速アルペジオが聴けると思いきや、ビル・フリーゼルばりにゆっくりと空間を埋める演奏に終始する。たまにディストーションも聴かせる。ドラムはリズムを刻まず曲を盛り上げるように叩くだけ。うーん、演奏技術の無いニューウェーブ系ギタリストが作る思わせぶりなサウンドトラックのようだ。高い技術を持つモンダーがこんなアルバムを作らなくてもいいのではないか。

  というわけで、あまりいい評価は与えられない。ベン・モンダーを初めて聴く人には前作"Hydra"のほうをお薦めする。今作で彼が新しいことに挑戦しているのは分かったが、まだしっかりとした形にはなっておらず、習作というレベルでしかない。
  
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 実験によって直観主義の欠陥... | トップ | 『亞書』問題と知人のテレビ出演 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

音盤ノート」カテゴリの最新記事