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キャリア初期と似た編成だが、かつてより神経質な感覚が減退

2014-01-20 10:33:51 | 音盤ノート
John Abercrombie Quartet "39 Steps" ECM, 2013.

  ジャズ。ギターのアバクロンビーをリーダーとした、Marc Copland(p), Drew Gress(b), Joey Baron(d)の四重奏団。この編成から、"Arcade"カルテット(参考)の頃のような耽美サウンドを期待したくなるのは避けられない。そして実際、そのような要求を十分に満たす良質な内容である。

  ただし、メンバーを見て予想がつく音の範囲内だといえばそうである。エフェクトを一切かけない線の細いエレクトリックギターと、かすかに不協和を散りばめた叙情的なピアノ。ゆったりとして幽玄なコープランドの演奏は、"Arcade"の頃のバイラークのように才気走ったところがなく、あまり緊張感を高めない。全体としては、すでに地歩を築いたベテランたちによる、冒険や無茶のない、余裕のセッションという印象である。

  個人的にはもっと張りつめた空気の中での演奏を期待したが、そうするにはメンバーのキャリアがありすぎて手練れすぎているということか。素晴らしい作品ではあるが、地味さもある。
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