Donati "Vagalume" Cool d:vision, 2006.
イタリア産ボサノバ。Donati名義での二作目。音は前作を踏襲している。歌モノ中心で、ヴィブラフォンまたはピアノに軽くカウンターメロディを弾かせ、打楽器の音圧を控えてという、抑制されたお洒落な演奏が繰り広げられている。
とはいえ、曲のクオリティには多少変化がある。まず、女性ボーカル曲は緩く聴かせる曲が多くて、もう少し緊張感があったほうがいいと感じられる。また、男性ボーカルの採用が増えた。男声曲には当たり外れがあって、新機軸としてJon Hendricksばりにしわがれた太い声を用いる曲が数曲ある──これが本人歌唱だったりする──が、残念ながらアルバムの雰囲気とマッチしていない。快適な音空間だったのに、しわがれたボーカルが出てきたとたんにタバコ臭くなってしまう。その男声で歌われたJoyceの名曲のカバー"Mistrerios"なんかはもったいない出来である。冒頭のタイトル曲は本人歌唱であるが、これだけはボーカルがサウンドの一部となっているために前面に出ておらず、楽しめる。
というわけで前作と比べると少々不満が残る出来である。マンネリ対策のアイデアが上手くはまらなかった作品と言えようか。一方で、前作と同じ路線の曲はよろしいが、前作ほどの輝きはないという。しかし、酷いというほどでもない。なおイタリアのレーベルCool d:visionのCDは、一枚ものなのに厚い紙箱に入っていて置き場に困る。
イタリア産ボサノバ。Donati名義での二作目。音は前作を踏襲している。歌モノ中心で、ヴィブラフォンまたはピアノに軽くカウンターメロディを弾かせ、打楽器の音圧を控えてという、抑制されたお洒落な演奏が繰り広げられている。
とはいえ、曲のクオリティには多少変化がある。まず、女性ボーカル曲は緩く聴かせる曲が多くて、もう少し緊張感があったほうがいいと感じられる。また、男性ボーカルの採用が増えた。男声曲には当たり外れがあって、新機軸としてJon Hendricksばりにしわがれた太い声を用いる曲が数曲ある──これが本人歌唱だったりする──が、残念ながらアルバムの雰囲気とマッチしていない。快適な音空間だったのに、しわがれたボーカルが出てきたとたんにタバコ臭くなってしまう。その男声で歌われたJoyceの名曲のカバー"Mistrerios"なんかはもったいない出来である。冒頭のタイトル曲は本人歌唱であるが、これだけはボーカルがサウンドの一部となっているために前面に出ておらず、楽しめる。
というわけで前作と比べると少々不満が残る出来である。マンネリ対策のアイデアが上手くはまらなかった作品と言えようか。一方で、前作と同じ路線の曲はよろしいが、前作ほどの輝きはないという。しかし、酷いというほどでもない。なおイタリアのレーベルCool d:visionのCDは、一枚ものなのに厚い紙箱に入っていて置き場に困る。