Nils Petter Molvaer "Baboon Moon" Thirsty Ear, 2011.
ジャズ。というかジャズロックである。モルヴェルのテクノとの接近のピークは"ER"(Emarcy, 2005)までで、以降のアルバムはアンビエントな曲を主に、二曲程度ロック的な曲な織り交ぜるという構成だった(参考:1 / 2)。今作は、ロック的な曲の比重が高くなっている。
トリオ編成で、Jaga Jazzistに在籍したこもあるStian Westerhusが、ギターとキーボード等の楽器とプロデュースを担当。打楽器はErland Dahlenという詳細不明の人物。幽玄なシンセ音はこれまでと同じだが、内臓にズシンと来るドラムサウンドとディストーションギターを前面に配し、これまでに無い方向性を打ち出している。また、いつものアンビエントな曲でもはっきりとしたメロディを吹いており、トランペットがよく歌っている。ソロにおける緩いスピード感は相変わらずであるものの、エフェクトをかけることが減ってアブストラクトな感覚は減退した。全体としてわかりやすい作品と言えるだろう。
往年のファンとしては、このジャズロック的な展開には戸惑っている。しかし、ソロについてはかなり評価できる。もっともストレートにソロを聴かせていた彼のアルバムとしては、"Khmer"(ECM, 1997)が挙げられるが、あれに近いレベルと言えるだろう。
ジャズ。というかジャズロックである。モルヴェルのテクノとの接近のピークは"ER"(Emarcy, 2005)までで、以降のアルバムはアンビエントな曲を主に、二曲程度ロック的な曲な織り交ぜるという構成だった(参考:1 / 2)。今作は、ロック的な曲の比重が高くなっている。
トリオ編成で、Jaga Jazzistに在籍したこもあるStian Westerhusが、ギターとキーボード等の楽器とプロデュースを担当。打楽器はErland Dahlenという詳細不明の人物。幽玄なシンセ音はこれまでと同じだが、内臓にズシンと来るドラムサウンドとディストーションギターを前面に配し、これまでに無い方向性を打ち出している。また、いつものアンビエントな曲でもはっきりとしたメロディを吹いており、トランペットがよく歌っている。ソロにおける緩いスピード感は相変わらずであるものの、エフェクトをかけることが減ってアブストラクトな感覚は減退した。全体としてわかりやすい作品と言えるだろう。
往年のファンとしては、このジャズロック的な展開には戸惑っている。しかし、ソロについてはかなり評価できる。もっともストレートにソロを聴かせていた彼のアルバムとしては、"Khmer"(ECM, 1997)が挙げられるが、あれに近いレベルと言えるだろう。