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全体像をざっくり掴むための入門書

2011-11-25 08:55:13 | 読書ノート
神永正博『ウソを見破る統計学:退屈させない統計入門』ブルーバックス, 講談社, 2011.

  統計学の入門書。ただし、統計を使えるようになるための説明がなされているのではなく、統計学は全体としてどのようなものであるのかを解説するのに主眼があるようだ。そのため原理を詳細に説明することはないが、一方で初心者の興味が続くよう、演出や事例などに工夫が凝らされている。

  内容は、平均・標準偏差・相関・正規分布に始まって、カイ二乗検定・回帰分析・t検定と続き、最後にポアソン分布・べき分布を展開する。最後の二つの分布は入門書ではあまり解説されない概念であり、僕も本書で初めて概要を知った。これらは統計の適用範囲と課題を示すうえでは興味深いトピックだろう。他に、曲線回帰するデータでは対数をとって直線にする等、のアドバイスもある。

  以上のように、僕のように、統計ソフトを仕事で使うものの、実はよくわかってないという人間にも得るところがあた。
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