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暗黒音楽研究・その1

2008-06-03 18:56:25 | 音盤ノート
Wayne Shorter "Odyssey of Iska" BlueNote rec.1970

 Shorterのキャリアでは、Weather Report参加前の、BlueNote最後の録音となる。暗い。そして素晴らしい。ネクラ音楽ファンなら必聴。特に最後の"Joy"は、完璧にダークかつヘヴィで、個人的に好きな曲だ。

 最初の三曲は、リズムを廃したアブストラクトな曲で、ヴィブラフォンが明滅する星のごとく闇夜にかすかな光を与える中、Shorterのソプラノ・サックスが肝試しのこんにゃくのように肌をなでる。四曲目は静かなボサノバで、アルバム中唯一、叙情性を感じさせる曲だ、暗いけど。五曲目の"Joy"は、地を這うようなベースラインのモード曲で、暗くそして熱く盛り上がる。

 アルバム全体が、聞き手をして闇夜の空を見上げさせ、そして地底に落とすという構成となっている。まさに暗黒音楽の教科書である。かつて僕は"暗黒音楽研究"というサイトを運営していたことがあった。とにかく暗い音楽CDを紹介する主旨のものである。すでに更新を止めているが、今なら筆頭にこの作品を取り上げたいと思う。

 ところで5年ほど前に新宿のディスクユニオンで買ったこのCD。たしか中古で1000円弱の価格だった。それが本日付けのAmazonの中古市場で10,000円以上の価格になっている!! Yahoo!のオークションでも5000円程度の値が付くようだ。ふつうの金融商品よりよっぽどいい投資対象である。売る気はないけどね。
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