未来(あした)のおもいで(光文社新書)
★★★★:80(~85)点
山(熊本県・白鳥山)という舞台が良かったです。山には世俗とは別の空気があり、別の時間が流れている感じがよく分かります。
滝水浩一と藤枝沙穂流。27年という時間の壁を超えた2人の出会いと愛。互いの想いを伝えるには、石灰岩でできた洞に置かれた箱の中の手紙しかない。
******************** Amazonより ********************
内容(「BOOK」データベースより)
熊本県・白鳥山。洞の中へ雨宿りに入った滝水浩一の前に現れた、美しい女性・沙穂流。ほんの束の間の心ときめく出会い、頭を離れないおもかげ…。滝水は、彼女が置き忘れた手帖を手がかりに訪ねてゆく。そこで、彼女と自分が異なる時代を生きていることを知るのだった―。時空を超えて出会った男女の愛をリリカルに描く、心に泌みる書下ろし長編ファンタジー。
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【注:以下、ネタバレあり】
27年前のデザイン大賞作品に自分が描かれていることを知った沙穂流。
「どうしたの。泣いているじゃないか、サーホ」
沙穂流は気がつかなかった。涙が溢れ出て頬をとめどなく伝わっていることに。
(私は愛されている・・・。想いは通じていた!----ひろ注)
そして、浩一は沙穂流の両親の、沙穂流は浩一の命を救おうと全力を尽くす。自分が行方不明になるとされた12月30日。浩一は沙穂流から白鳥山には登らないようにと釘を刺されていた。忠告通り待っていればまた沙穂流と会える日が来るのか。そして、浩一がとった行動は・・・。
♪必ず、最後に愛は・・・♪
この本は、「つばき、時跳び」のコメントでミナミさんからお奨め頂いた作品です。ヒロインの沙穂流は誰もが好きになるタイプの女性で、カジシン作品に出てくる女性は描き方が類型的と言えなくもないかな・・・。でも、いい娘(こ)なんですよねー。
梶尾真治はタイムトラベル・タイムスリップの理論的なこと、科学的なことにはあまりこだわらないタイプのようです(少なくとも表現上は)。もう少しボリュームがあったり、エピソードを増やしても良かったと思いますが、胸キュンの短編がカジシンの持ち味なのかもしれません。まだまだ読むぞー。
P.S.コーヒーは貴重ですね。
◎参考ブログ:ユキノさんのブログ”時間旅行~タイムトラベル”
ケントさんのブログ”ケントのたそがれ劇場”
ゆうきさんのブログ”本を読んだら”
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