復職して1ヶ月ちょっと、退院して1ヶ月半が経過しましたが、よくこれまで転倒していないものだと思います(通勤途上だけでなく、社内でも)。転倒に関して多少なりとも「怖ーっ」と思う瞬間やシーンは日々結構たくさんあるもので。また、気を付けていないと出した足がそのまま前へ流れそうになったり、股関節や膝がかくんと崩れ落ちそうになることも多いのです。膝に関しては、バランスのとりづらさや体重のかけにくさも含めて、10年くらい前の左ひざ半月板-部分切除手術などの影響もあるかもしれませんね。
基本的には"(超)ゆっくり"行動していれば、まずは大丈夫なのですが、常にそのような訳にもなかなかいきませんので。歩行については、少し前の記事で「大げさに書けば1歩1歩が転倒の恐怖との戦い」としましたが、また一方で、一歩一歩微妙に変化する状況(床面・路面の材質、凹凸や傾斜、人や車・自転車の行き来など)に応じて、進行方向、姿勢や左右の足への体重のかけ方(バランス)、足首の角度、歩幅、速度などをその都度これまた微妙に変える必要があります。なかなか高度なフィードバック制御ですね。二足歩行ロボットの開発の難しさがよく分かりますし、自ら”やや”ロボット的な歩行をしている気にもなります(笑)。何せ麻痺が残っている左足は色んな自由度(関節の角度とか可動域とか)が以前よりも小さくなっているので、どうしても若干ぎくしゃくとした動きになってしまうのです。プラス、機械やロボットにはない”恐怖感”などの影響も受けます。
そうそう、普段通勤時に履いている革靴を休みの日にスニーカーなどに履き替えると、かかとの高さやクッション性の微妙な違いを足裏が敏感に感じ取り、慣れるまでに少し時間がかかるのです。また、足だけではなく平衡感覚障害がらみでは、自分で背負っているリュックや肩にかけているショルダーバッグ、コンビニで買った商品を入れたビニール袋などの重さや揺れにも影響も受けます。つまり、それらの動きで身体も揺さぶられたり、振り回されたりする感じがかなりあります。これも想像以上でしたね。更に強い風が吹いていたり電車通過時の風圧を受けたりすると、おー怖っ!となるのです。
そして、前から来る人の状況(性別、概略の年齢、荷物を持っているか、その大きさは?ブラブラ振ったり揺れたりしていないか、きちんと前を見ているか、自転車の運転に不安な感じはないか、こちらのことを認識していそうか など)を観察することも重要です。例えば、小学校低学年くらいの男の子が集団でワイワイ喋りながら結構なスピードで自転車を飛ばしていたり、携帯で話をしながら自転車を漕いでいる人などは、何か起こりそうで見ているだけで怖くなるのです。自転車に関しては、歩行者レーンと自転車レーンをジグザグと移動する人なども怖いですね。一番怖いのはこちらが横断歩道を渡ろうとしているようなときに、前を斜めにシャーッとこちらの身体ギリギリのところを横切られたりです。 2、3回そのようなことがありました。
前から来る人とこちらを比較してどちらがとっさのときに余裕がありそうか?
普通は健常者の人の方が絶対に余裕や対応力がありますが、それを完全には信頼できないですし、こちらに気付いていなかったり、殆ど注意を払っていない人も多いので、基本的にはこちらの方で注意を払ったり、早めに対応することになります。私は杖をついていても割とスタスタ歩いているように見えますし、ちょっと足が不自由なだけに見えて、平衡感覚異常なんて恐らく想像つきませんからね(汗)。特に通勤時の歩行については、注意力以外に、観察力や予測力、推測力などもかなり重要です。左足の麻痺や平衡感覚異常、機敏な動きができないことなどをそれらの総合力で何とか補う感じでしょうか。病院のセラピストの先生方には、リハビリで基本的な手足や脳の機能・動きの回復と共にそのような各種の力をつけて頂き、更にもし転倒しそうになっても、自ら最悪の事態だけは避けるような対応力をつけて頂いたと思います。例えば、そのままステンとひっくり返ったりすることはなく、足を踏み出してこらえるとか、ジワーっと身体が傾くその間に何とかバランスを立て直すとか、腕も使って受身的な態勢をとって頭部打撲は防ぐとか・・・・。これらの分析・考察は尽きないので、また別記事で書きます。