今秋の「片桐棲龍堂」特別公開のもう一つの見所であった坪庭です。
まずは、長い長い石畳と前庭(というのでしょうか)の落ち着いた美しさが見事です。
年季を感じさせるくすり看板の数々。
書き忘れていました。「片桐棲龍堂」は漢方薬の専門店で、先祖は鎌倉時代、清和源氏の薩摩・島津氏の末裔だそうです。兵法に随伴する医学を実践しつつ、安土桃山時代には今日に至る医業を興し、以来四〇〇有余年になるとのことです。
そして初公開の坪庭へ。
そこには、素晴らしい小宇宙が広がっていました。
灯籠、小ぶりな石の配置、樹木が実にいい感じです。
左手にあるのが大仙栽の方でも見た主屋の一部で同じガラス戸がはまっています。
手前にある苔むした手水鉢が味わいあり。
ガラス越しに見える衝立や襖の絵、愛くるしい御所人形も素晴らしいです。
明治天皇御下賜の茶壺なども飾られていました。
こちらの屏風、蹴鞠の人形なども貴重なものなのでしょうね。
薬関係の資料、建物、お庭、家具や調度品、人形、美術品などいずれもが堺が誇る貴重な文化遺産だと思います。1日だけの特別公開で実に素晴らしいものを拝見させて頂きました。