富田林探訪記の2球目も変化球です。
重要伝統的建造物群保存地区である旧寺内町の代表的な建物であり、重要文化財の旧杉山家住宅は素晴らしいものでした。しかし、実は私が最も気をひかれたのは小さな木製の螺旋階段なのです(重伝建地区の建物や風情については、また別記事で)。
旧杉山家は明星派の歌人・石上露子(いそのかみつゆこ、本名・杉山タカ)の生家でもあり、この螺旋階段は後に改修した際に石上露子の希望で(?)作られたものとのです。和風の町家にあってここだけがハイカラ、モダンな感じなのですが、全体の雰囲気にうまくマッチしています。
手すりの装飾やカーブなどが優美ですね。小さな階段ですので、おそらくは頭が当たらないようにということでしょうか、昇降する部分の頭上がアーチ状にくり抜かれていますが、ここのデザインも手抜きなしです。側面のドアに?とも思いましたが、横の通路部のドアを開いたときにこの側面に収めるようにしたものか、ドアを側壁に利用したもののようです。これも面白いです。
注)撮影モードの違いで色が様々になってしまいました。ご了承ください。
この階段を見ていると下関の秋田商会にあった螺旋階段を思い出し、以下にその写真もアップしてみました(撮影:2003年3月)。旧杉山家のものは四角の中にはめ込んだような形で、秋田商会のものは円形です。形はスペース制約による関係もありそうですね。