金正恩独裁政治は外貨獲得と民主化阻止の狭間での政治



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金正恩独裁政治は外貨獲得と民主化阻止の狭間での政治
ソ連崩壊後も生き残った北朝鮮独裁国家の本質

ソ連が崩壊してほとんどの社会主義国家が議会制民主主義国家に変わっていったが北朝鮮は社会主義を続けた。しかし、ソ連崩壊は北朝鮮に深く影響した。金日成に対抗するグループが現れ、グループはクーデターを起こそうと計画した。陰謀を知った金正日は多くのソ連留学経験者をKGBのスパイとして粛清した。
ソ連崩壊の後に起こった金日成による大量粛清によって、北朝鮮が民主主義人民共和国の国名のような民主主義ではなく。人民主義でもなく共和国でもない金日成の独裁国家であることがはっきりした。ただ金日成は国家を創設した人物であり国民の彼への信頼は高かっただろう。しかしそれでも金日成独裁体制は、ソ連崩壊後は粛清をしないと政権を維持できない状況になっていったのである。
国家を樹立した金日成の国民の信頼は健在であったから彼を中心とした政権はソ連崩壊後も安定していた。しかし、金日成は1912年に死去する。ソ連崩壊から11年後である。金日成の地位を継承したのが長男である金正日であった。
社会主義国家ではイデオロギーを優先するという暗黙の了解があり、地縁関係の者が継承することはなかった。
ヨーロッパの社会主義国家は血縁関係者の後継を避けていた。政権トップのグループから最高指導者を選ぶのが社会主義の暗黙のルールであったが、北朝鮮では血縁の息子が後継者になったのである。金正日は社会主義国家としては禁断の後継をしたのである。
金正日が強固な恐怖独裁体制を築いた
ソ連崩壊によって社会主義への幻想は消えた。しかも封建社会のように血縁の独裁国家となった北朝鮮の金正日であったから、自分の地位を維持するには支配権力をより強固にすることであった。父の金日成には建国した実績とチュチェ思想というイデオロギーによって権力を堅持することができたが、金正日には二つともなかった。金正日が権力を維持する方法は金力と粛清であった。
金正日は少なくとも蓄財をする金勘定には秀でていた。その金で党幹部たちに贈り物をして後継者として有力視されていた弟を蹴落とし、二代目としての地位を確立した。
94年に金正日氏が金日成を継いだ際は、義弟の張成沢氏が主導して、古参幹部ら約2万5000人を粛清したという。1997年9月には経済失敗の責任を問うため党農業担当書記の徐寛煕(ソ・グァンヒ)を処刑した。

政権内で対立する者を処刑する代わりに支持する者は高待遇をしなければ金正日の地位を守ることはできなかった。配下の部下には高級な外車、貴金属、衣類、香水、酒や食品などの贅沢品を与えた。粛清と厚遇が独裁者金正日の地位保全策であった。
高待遇をするには大きな問題があった。北朝鮮は生産力が低い。部下を満足させるような品物は国内にはなかった。北朝鮮で手に入るのなら北朝鮮貨幣のウォンを与えればよかったが、贈呈品のほとんどは輸入しなければならなかった。しかし、北朝鮮の貨幣であるウァンは世界には通用しない。輸入するにはドルが必要であった。ドルを獲得するには輸出が必要である。
蓄財した金で党幹部たちに贈り物をして、後継者として有力視されていた弟を蹴落とし、二代目としての地位を確立した金正日である。彼は元々蓄財に秀でていて、北朝鮮のトップになるとドルを手に入れるための機関をつくった。それが39号室である。39号室は国の全ての貿易を扱う機関である。金正日は39号室を利用して国内の外貨を独り占めしていった。その外貨で側近への贈り物を輸入したのである。
金正日はお金を貯めるだけで国のために使わなかったと言われている。1990年代の北朝鮮は自然災害などの被害で200万人を超える餓死者を出した。金正日は数千億円と思われる「39号室」にプールされたお金を飢える国民に一切使わなかったのである。

金正日は自分の自由にできる「ウリナラ(我が国)」を維持するために「忠誠を誓う60万人がいればいい」と言い放って、2500万人以上の国民が飢えることは気にしなかったのである。

39号室が金正日の独裁支配を維持させたのである。
金正日の死によって39号室を引き継いだのが金正恩である。
金正日が完成させた独裁体制を金正恩は継いだだけ
韓国ソウルに暮らす金周一(キム・ジュイル 仮名80歳)さんは、日本の東北地方生まれの脱北者である。彼は貧しかった青年時代に社会主義に傾倒して、大阪で在日朝鮮人運動に没頭した。革命家を夢見て1960年代に帰還事業で北朝鮮に渡った。
社会主義国家は貧しい人を豊かにする社会であると信じられていた。北朝鮮でしぉ会主義革命をお越し、国名が朝鮮民主主義人民共和国となった時、金周一さんのように在日朝鮮人だけでなく日本人も含め多くの人たちが北朝鮮は労働者のための社会が築く国家になるのだと信じていた。金日成や彼の仲間たちもそれを信じていただろうし、そのような社会をつくろうと努力した。しかし、つくれなかった。金日成はつくらなかったのではなく、つくる努力をしたがつくれなかったのである。
共産党一党独裁の社会主義国家では経済は発展しなかった。発展しなかった理由は共産党が努力しなかったのではなく共産党主導では経済は発展しない。経済が発展するのは政治に支配されない経営が自由な資本主義経済しゃかいである。それが経済の法則であるのだ。中国でそのことが実証された。
経済が発展しないで貧困化していく中国に悩み、市場経済を導入したのが鄧小平だった。鄧小平は日本や米国の経済が発展するのになぜ中国は発展しないのか。その原因を追究したが突き止めることができなかった。そこで鄧小平が採用したのが市場主義導入による外国資本の参入であった。市場経済を導入することによって中国は見る見るうちに経済は発展し、世界第二位の経済大国になった。

北朝鮮は市場経済を導入しなかった。だから、経済は疲弊していった。経済が疲弊していくと独裁体制を維持するには内部の不平分子を排除しなければならなくなる。北朝鮮は独裁体制を維持するために処刑するようになった。金日成を継いだ金正日の時代になると独裁体制を守るための処刑はひどくなる。そして、金正日は独裁体制を強固にするのに北朝鮮の外貨は全て金正日に集まるように309号室をつくった。
金正日は独裁体制を強固にするために309号室で得たドルなどを利用して配下60万人を徹底して優遇するシステムを構築する。北朝鮮の独裁体制は金正日によってより強固なものになっていった。

2011年17日、金正日は死去した。12月30日、金正日の後任として三男である金正恩が朝鮮人民軍最高司令官に推戴され、同職に就任した。
金正恩は20代で北朝鮮のトップになったのである。北朝鮮の独裁体制は共産党一党独裁のように共産党員のトップによる独裁ではなく金家直系の独裁国家である。
金正日が築いた独裁体制は富を309号室によって金一家に集中させ、その富を利用して60万人の配下の者を徹底的に優遇して独裁体制を維持するものであった。
社会主義もチュチェ思想も存在しない単純な金正恩独裁国家である。北朝鮮は金正恩による金正恩のための独裁国家である。金正恩には領土を拡大する気はない。韓国、米国、日本と戦争をすれば自分が確実に殺されることを知っている。自分が確実に死ぬ戦争を望む金正恩ではない。金正恩は戦争をしない。避けている。
核開発、ミサイル開発は戦争をするためではなく、戦争をしないための開発である。もし、韓国軍や米軍が北朝鮮を攻撃するなら韓国、日本、米国に核ミサイルを撃ち込むぞという脅しのためであって戦争をするためではない。
金正恩独裁政治は外貨獲得と民主化阻止の狭間での政治
金正恩独裁体制を維持するには外貨獲得と民主化阻止が必要である。
外貨獲得は独裁体制を維持するための費用として必要である。外貨獲得ができなくなれば金正恩体制を支えるための配下60万人を確保することができなくなる。金の切れ目が縁の切れ目となり、金正恩独裁体制は崩壊するだろう。
外貨獲得のためには輸出をしなければならない。輸出ができなくなれば金正恩の資金が減っていく。
外貨を稼ぐために金正恩が力を入れているものに観光業がある。金正恩はできるだけ多くの外国観光客を増やそうと努力している。
外国労働も金正恩の外貨収入の一環である。北朝鮮の外国労働者の給料のほとんどは金正恩が管理している309号室が収奪する。
金正恩の「外貨獲得」のために、中国や東南アジアでレストランを経営している。
輸出、観光、外国労働。外国レストランは北朝鮮経済を豊かにするのではなく金正恩資金を豊かにする。

金正恩は外貨獲得のために北朝鮮の中高生の夏休みさえも利用しているという事実がある。

北朝鮮では、青少年は春に30日、夏に30日、秋に45日間、農村支援に動員される。この期間、学生たちは学校にも行かずに家族から離れて、協同農場で農作業をしなければならない。中学校3学年から大学を卒業するまでずっとだ。
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