芥川賞作家目取真俊氏批判 その3

目取真俊氏は新春エッセーで、中国の観光客を呼び寄せるのに沖縄に米軍基地があることを懸念しているが、軍事基地にアレルギーがあるのは革新政治家や反戦平和主義者たちであり、一般人には軍事基地アレルギーはない。嘉手納基地を見渡せる嘉手納町の駅の道には連日観光客が押し寄せて賑わっている。それに嘉手納軍基地内への観光も取り組んでいて、けっこう観光希望者がいるようだ。

中国やアジアの人も東南アジア最大の空軍基地には興味があり人は多く、観光コースになっていると聞いている。中国人が沖縄の米軍事基地を忌み嫌うと予想するのは間違いで、むしろ興味を持っている人のほうか多いということを目取間氏は知っていない。

目取真氏は9・11事件が発生したときに沖縄の観光が大打撃を受けたので、中国と日米間の軍事的緊張が高まり、沖縄周辺で武力衝突が起こり、沖縄観光が大打撃を受けるのを危惧している。そして、大打撃を避けるためには沖縄から軍事基地を撤去するべきと主張している。
しかし、沖縄から軍事基地を撤去したときに中国はどのように行動するだろうか。目取真氏は政治、経済、芸能、文化などの多様な交渉を作り出すことで相互理解を深めることで沖縄の平和は保たれると主張しているが、目取真氏は中国という国を理解した上で主張しているのか疑問だ。
中国は内陸のウイグル地区やチベットを武力で制圧し中国の属国にした。現在も武力で制圧し続けている。アメリカ軍フィリピンから引き上げた後に、ベトナムやフィリピンの領海であった南沙諸島や西沙諸島を中国軍が武力で制圧している。目取真氏の主張通りに沖縄から軍事基地を撤去すれば尖閣諸島を中国の領土であると主張している中国は確実に尖閣諸島を実力で中国の領土にしてしまうだろう。そして、宮古、八重山も制圧し、沖縄をも中国の属国にしてしまうに違いない。
私の予想は現実離れしているように見えるが、もし、中国に侵略されても沖縄が無抵抗であり、国際的な抗議も大きくないという前提があってのことである。中国は自国の領土を少しでも拡大しようとする覇権主義国家でありり、覇権主義の中国は国境を接している全部の国と領土争いをしている。尖閣諸島は中国の領土であると主張しているのだから中国が尖閣諸島を占領するのはこれまでの中国の行動をみればはっきりしている。中国に目取真氏の主張は全然通用しないのは明らかである。

目取真氏は「軍隊が守るのは領土であっても住民ではない。沖縄戦の教訓を思い出した」と革新政党の決まり文句を述べているが、沖縄戦で日本兵はアメリカ軍と壮絶な戦いをして10万人もの兵士が戦死している。アメリカ軍と決死の覚悟で戦ったのは領土を守ることであり沖縄の住民を守ることでもあったのだ。しかし、圧倒的なアメリカ軍の軍事力に日本軍は壊滅させられた。壊滅させられた日本軍がどうして住民を守ることができようか。南部の戦場で、住民を避難壕から追い出したり、住民を危険な目にあわすような日本兵もいたが、彼らは極一部の兵隊であり、その事実を取り上げて、「軍隊が守るのは領土であっても住民ではない。」と決めるのは軍隊への偏見だ。それに戦前は政治が軍国主義になっていき、女子供も国を守る兵隊にされていった。女子供も兵士として竹やりを持って戦うような国家であったのだ。
目取真氏の軍隊論と戦前の軍隊論は違っているのにそのことには注意を払わずに、一方的な自論で戦前の軍隊を避難している。

戦前は軍部が政治の実権を握った軍国主義国家の軍隊であり、戦後の民主主義国家である日本のシビリアンコントロールされた自衛隊や、アメリカの軍隊を戦前の日本の軍隊と同一視するのは間違っている。私たちは軍国主義国家を非難し、軍国主義国家の軍隊を非難すべきである。戦前の日本軍は軍国主義国家の軍隊であり、戦前の沖縄戦における日本軍の行動から軍隊一般論を導き出すのは間違っている。

目取真氏は沖縄戦で軍隊は住民を守らなかったと非難しているが、しかし、軍隊が住民を守るうんぬんではなく、むしろ他国の軍隊に侵略されたときは自分の国を守るために住民も軍隊と一緒に戦うのが当然ではないのか。シャンソン歌手のイヴ・モンタンはドイツ軍がフランスに侵攻したときレジスタンスとしてドイツ軍と戦ったことで知られていた。私は祖国アランスのために戦ったイブ・モンタンを尊敬する。

私は民主主義国家におけるシビリアンコントロールされた軍隊は認めるが、政治の実権を軍隊が握った軍国主義国家の軍隊は認めない。また、中国の人民解放軍のように政治の実権もある軍隊は否定する。
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )